僕の神様 (ページ4)

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参話ページ4

鶴見さんの二度目の訪問は突然の事だった。
一度目から一か月と十四日後のことだ。
私は朝に鶴見さんが来ると聞かされてから居ても立っても居られず門の前で待っていた。

「やあAくん元気にしてたかい？」

「はい！元気です」

しっぽをぶんぶんと降る勢いで鶴見さんに駆け寄る。

「この前は大丈夫だったかい？心配したよ」

「大丈夫です！今日はたくさんお話しましょう！！」
待ちきれず鶴見さんの手を引っ張って家の中に入る。
客間に通し机を挟んで正面を陣取り正座した。
すると少し遅れて父が客間に出てくる。

「こら、A。すまないね鶴見君この子はあまり大人になつかないのだが…」

「いいえ、私は子供が好きなので構いませんよ。まだ打ち合わせには時間があるので少しAくんと町に行ってきてもいいですか？」

父の許しを得た私と鶴見さんは町を歩く。私ははもう十代半ばなのに子ども扱いされたことに少しムッとしながらも大人しく鶴見さんの後ろを歩いていた。

「A君あそこに美味しそうな甘味処があるよ。A君は甘味は好きかい？」

「はい！大好きです！！」

鶴見さんがくるっと振り返りにっこり笑って話しかけてくれれば不機嫌だったのが晴天のように晴れる。

「では少し寄ろうか」

運ばれてきた団子を手に取り美味しそうに食べる鶴見さん。
花より団子と言うがその時の私にとっては団子より花だった。
団子に全く手を付けずじっと鶴見さんを見つめる私を見かねて鶴見さんがくすくす笑いながら声をかけた。

「私が団子を食べるのがそんなに珍しいか？私だって人間だよ」

「僕は今まであなたほどの美しい人を見たことが無かったのであなたのことを神様だと思っていました。しかし、今美味しそうに団子を食べるあなたは変わらず美しいですが実に人間らしく見えます。あなたはいったい何者なのですか？」

私が大真面目にそんなことを聞くと鶴見さんは一瞬猫のように目を丸くした後吹き出しけらけらと笑い始めた。