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3話 ページ4

いつまで経っても消えないこの恋心に、嫌気がさしてきた。
伊達に十数年片思いをしていないため、すっぱり諦めるなんて無理な話である。


胡蝶「本当に貴方は懲りない人ですね、Aさん?」
貴「いたたたた、しのぶちゃんもっと優しく!!」


額に青筋を立てながら、傷口の治療をするしのぶちゃん。


「何ですか?」と有無を言わせぬ笑顔に、「なんでもありません」と口を閉ざした。


胡蝶「全く・・・部下の方々をかばってケガしてくるの、もう何回目です?」
貴「どうしても体が動いちゃって」

傷を負った左足をさすりながらそう答える。

毎回治療してもらってごめんね、というと「仕事ですから」と返ってくる。


胡蝶「これで命を落とすようなことがあれば、私は許しませんからね」
貴「うん、わかってる。しのぶちゃん、治療ありがとう」


そう言って治療室から出た。
しのぶちゃん怒ると怖い。美人だから余計。


廊下をしばらく歩いていると、誰かがこちらに歩いてくる姿が見える。

あの髪色は、
杏寿郎「Aじゃないか!聞いたぞ、また部下をかばってケガしたんだな。あまり傷を増やすな」


そう言ってポンポン、と頭を数度撫でる杏寿郎。
こういうところが私の心の傷をえぐるのだ。


あまり反応がないことを不思議に思ったのか、私の顔を杏寿郎は覗き込む。


そんなときでさえドキリと鳴る心臓。

杏寿郎「どうした、体調が悪いのか?」
貴「・・・ううん、大丈夫。杏寿郎はどうしてここに?」


杏寿郎「あぁ、ちょっとな」

含みのある言い方に引っかかるが、言いたくないこともあるだろうと気にしないことにする。
蝶屋敷に用事があるのは理由が限られてくるが。


貴「それじゃあまた」
杏寿郎「あぁ。・・・そうだA。今度久しぶりに手合わせ願おう」


貴「・・・うん、また空いた日に」
そう言って私たちは背中を向けた。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:アニメ
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にんにく - 煉獄さんがしのぶのところに足を運んでいたのは、てっきり華さんが妊娠でもしてるのかと思ってました!でも読み返してみたら、2話でも華さんが簪を指しても「買ってあげよう」とは言ってませんし、伏線?が散りばめられていたんですね…。続編楽しみです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: 315083b1b9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めてこんなに続編が気になる作品に出会えました。これからの進展がすごく気になります!続編もすぐ読ませてもらいます! (2019年11月17日 13時) (レス) id: d43f11df13 (このIDを非表示/違反報告)
中二病者です!(プロフ) - 次の作品も続編も楽しみに待っています!だけど、冬の季節になったので体調には十分気をつけてくださいね!更新楽しみにしています! (2019年11月17日 7時) (レス) id: ab06cdee91 (このIDを非表示/違反報告)
はず - 作者様…!とても気になります!読んでいてとても楽しいです。更新頑張ってください!応援してます!! (2019年11月16日 18時) (レス) id: 91e1062183 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - おおお!!ついについに来るのか?来るべき時が来るのか?? (2019年11月16日 0時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月3日 21時

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