リアリスト娘、悪役に代わる。

08. ページ9

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「…質問の意図をハッキリさせて欲しい。
私は察しが余り良くないから。
それは私が好いた人間に強引に言い寄ったり、気に入らない相手を苛めたりするかって事？」

「端的に言ってしまえばそうなります」


余りにも下らない問いに拍子抜けした。
はぁ、と溜め息を一つ吐いて呆れたような視線を向ける。


「さっきも言った通り、私は無駄な行為が心底大嫌い。
気に入らないならそれより上になれるよう努力すればいい。
好きになって欲しいなら努力すればいい。
苛めなんかしても最良の結果にはなれない」


求めるなら、最良の結果を。

クロウリーはそんな私の言い分を聞いて、ポツリと呟いた。


「…現実(リア)、主義者(リスト)」

「正解」


にぃ、と笑えば、クロウリーは苦笑いをする。


「…元は同じでも、随分違うんですね…」

「当たり前。元は同じ水でも、一つとして同じ雪の結晶が出来ないのと同じ」


だからこそ、面白いのだが。


苛めとはやり過ぎだ。

随分と愚かしいこの世界の自分を鼻で笑う。
馬鹿な女。

嫉妬に呑まれた姿は、さぞかし醜かったことだろう。


「…あ、あと、決定的に違うことがある」

「何です？」

「私は恋とか愛とか良く分からない」


無表情で言い放てば、そうですか…と微妙な顔をされた。



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(何その顔)

(見れば見るほど別人だな、って…)

(当然。私はアレほど愚者じゃない)

(そうですか、私も…)


(冰宮くん(今の君)の方が、好きですよ)

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