運命の恋、拾われました.13

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岩「ねぇコメントするのやめて。笑」

「あれ？バレちゃった？笑」




『ただいまー』って声が聞こえてきたかと思えばすぐにリビングに響く嬉しそうな声

外から帰ったら手洗いうがい、って小さい頃から言われてるでしょう？

剛典の背中を洗面所へ向かって押す




岩「そりゃ分かるでしょ！思わずニヤついたわっ！！」

「うん。知ってる。見てたから。笑」


鏡越しに目が合って、なんだか少しだけ泣きそうになった。こんな風に言われて嬉しいはずなのに.....


原因は分かってる。＿＿＿＿ただの嫉妬だ




スタッフさんであろう女性の声が聞こえてきたり、その人に言われたことに対して舌を出してみたり。
分かってる。それは『ガンちゃん』としてそうしている事も、ファンが見ているからそうしていたことも。



でも、私がカメラマンとして働かせてもらった時にはそんな風に女性スタッフと接していなくて。
勿論私がいるからなんだろうけど....それを見て少し安心したのも事実なわけで。


だから今日のインスタライブを見て、、、本当は。剛典は、。



普段は、そんな風に女性に接しているのかな？って......





鼻の奥がツンとなる感じがして、慌てて鏡から顔を背ける


「もう。ちゃんと手洗いうがいして、服も着替えてからリビング！分かった？」

言い逃げするみたいに洗面所の扉を閉めた





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岩「今日は魚？」

「あ、ゴメン。まだ匂ってる？」


焼き魚をするとどうしても匂いが部屋中に籠ってしまう。換気をしたつもりだったけど、外から帰ってきた剛典にはやっぱり分かるらしい


岩「気にし過ぎだって。俺は焼きたての魚が食べれる方が匂い云々より嬉しいよ〜」

そう言って私の頭を一撫でしてから椅子に座って手を合わせた


岩「いただきまーす。 ん！やっぱ美味いっ！」



もぐもぐとリスみたいに頬にご飯をため込んでいる剛典を見ていると、いつもなら癒されるのに今日は違う感情が心を渦巻く


＿＿＿＿＿＿もしかしたら、、今まで私が此処で見てきた剛典は、本当は『素』なんかじゃなくってTV同様、作った顔なのかもしれない....

さっき女性スタッフに見せていた、あの顔こそが彼の本当の姿かもしれない....




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一度、負の思考回路に入ってしまうと
どんどんと悪い方へ考えてしまうのが私の悪いところだ_____________





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