にどね ark ページ3
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ふと雨の音がして薄目を開ける。…今日は雨かあ。
特に外に出る予定もないのだがせっかくの休みに雨というのもなんとも気分が上がらない。手探りでスマホを探してチラッと見ると時刻は8時だった。
…もうちょっと寝てもいいよね。うん、休みだし。
少しだけ手を動かすとあらきさんはいなくてもう既に起きてることがわかった。かすかにいいにおいがするし朝ごはん作ってくれてるのかなあ。…そう思いながらも眠気には負けず目を閉じようとするとパタンとドアが開いた音がした。
「A起きてるー?」
起こし方が完全にお母さんだが、私が完全に無視をして布団をかぶるとあらきさんはすぐめくってきてパチっと目があった。
「ちょーいなにまた寝ようとしてんすか」
『二度寝させてあらきさん…』
「だーめ起きてくださーい」
そう言うとあらきさんは私の頬をつまんできた。私が眉間にシワをよせると「なんて顔してんの」と笑われた。いやあらきさんが頬をつまんでるからなんだけど。
笑っている隙にめくられた布団をなおして目をつぶった。
すると少しだけ寒い空気が入りすぐに後ろからふわっと抱きしめられた。気づいたらあらきさんも布団に入っていた。
『あらきさんも二度寝しちゃいます?』
「んーー、どうしようっかなー」
完全に寝る体制に入っているのに何を言ってるんだが、と私が思っていると突然足を絡めてもっと密着してきた。私がえ?とびっくりした瞬間あらきさんは私の首元に顔を埋めた。
『ちょっと、あらきさん?足、』
「えー?なんすか、」
『なんすかじゃなくて』
「俺も二度寝しよっかなーって思ってるだけよ」
『え?』
そう言ってあらきさんはその体制のまま目を閉じた。
……いやドキドキして私が二度寝できないんですけど!
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作者名:みるる | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Nagisa-Aonami/?w=1
作成日時:2021年11月28日 19時