コンビを組む ページ5
.
Aさんがかわいいというのは
男ばっかのクラスで話題になった。
けれども講師と同等の分類ではあるので
ただただかわええなあと、アイドルについて話す時くらいの程度やった。
俺も俺でAさんはかわいいけど、それよりも相方探して頑張らへんとというように
入ったばっかりの養成所。無駄にしたらあかんと意気込んでいた。
「…私もう辞めようかなって思ってて」
歩いているとふと廊下の隅から聞こえた女の子の声。
え、早ない？でも確かに俺のクラスも自己紹介の日から来なくなった奴いたわ。何がそうさせるのかは理解できなかったけど。
「周りの人もうコンビ組んでて、私が女やからですかね…男女コンビ組みたかったんですけど」
そう言葉にする女の子、こそっと見たら同じクラスの斎藤やった。
明るい子のイメージはあったのに、俺が歳を気にするように彼女は性別で悩んでいた。
そういうのも、あるか。
「まだ始まったばっかりやん。たくさん組めてない子おるよ、組んでもすぐ解散する子もこの後たくさん出てくるし」
そう前向きなアドバイスするのは、Aさんやった。
「まあそうなんですけど…」
「今度からネタ見せあるし、ピンでやってもええと思う。ピンで面白かったら声かけてくれるよ。男も女も。おもろかったら選び放題、あかんかな？」
「でも、私ピンでとかパッと思いつかなくて」
あ〜もう、斎藤、ウジウジしとんな。
Aさんの顔をチラッと覗くとかなり困った表情をしていて。
「…俺とやってみる？」
と、俺も誰かととりあえずネタをしたい焦りと
斎藤のコンプレックスが俺と少し重なって
あと、Aさんが困ってたのも多少。
2人の前に立って声をかけた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴぴ | 作成日時：2023年3月13日 14時
