桜の季節 (ページ4)

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目が合うページ4

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「なあ、モリシ」

「おん、おるな」

お笑いの基礎を学ぶらしい本日
目の前にいる良くテレビで観る芸人と、構成作家をしていると言う講師…の奥。

さっき喫煙所であった子が立っていた。

目の前にはミキサーとマイクがあって講師が話そうとするとマイクを手渡す。
驚きながら考えるに、彼女は養成所生でなく養成所のスタッフらしい。

資料を講師に渡したりミキサーをいじったりするところを見ると講師のアシスタント的立ち位置なのだろう。

「あ、Aも一応自己紹介しとくか」

講師が彼女にマイクを不意に渡す。
「あ、はい」とマイクを受け取って

「Aです。前年の作家コースの卒業生で構成作家の片手間でアシスタントやってます。」

「片手間言うな」

「卒業生がアシスタントだけしてる思ったら夢ないやないですか。まあ1年間の流れもわかってるし、一応卒業生なんで、相談とかもしやすいと思うんで声かけて下さい」

そう言って頭を下げた。

「ちなみにAは首席やったからな、普通にめっちゃ仕事あるし、気に入られたらなんかあるかもな〜」

講師が付け足すと「ええですってそんなの」と恥ずかしそうにしてマイクを返す。

タメ口やったのも理解が及んだ。先輩。
きっと高卒くらいで入学したんだろう。で首席。すげーな。

俺がじっと見るもんやからそのAさんと目があった。
さっき会ったっていう温度感の笑顔を見せた。

あ、やっぱかわええ。

キレイなのに、ちょっと懐っこくて、なんかずるう…。

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