ラブリー

メシいかん？ ページ4

４






「もうええわ」

「「どうもありがとうございましたー！」」



笑い声と拍手

やっぱり舞台は最高。

毎回毎回、幸せな気持ちになる。


袖にはけると私たちの後は見取り図の出番。
今日もいつものように舞台袖で見学。


いつもの出囃子が流れると
客席からわあっとどよめきが聞こえて、ものすごくお客さんが楽しみいうのが漫才をしなくてもわかる。
舞台に2人が立つと劇場の空気が変わる。

やっぱり、すごい。


ネタが始まって、掛け合いを観ていると
リリーさんと私の目が合った。


うわ、ファンの子が目が合ったって喜ぶ気持ちがわかる。
これは少しドキリとする。


で、また、目が合う。

咄嗟に指ハートしたら、鼻で笑われた。





「お前袖でなにしてんねん」


漫才おわりのリリーさんが私の前に来て
半笑いで私の肩を軽く小突く。


「ふふふ」

「きもちわるう」


呆れた顔になってそう言われるけど
優しい顔だから私はそれに甘えてしまう。


「お前今日なんか予定ある？」


そしていきなり、リリーさんが私に聞く。

え、なになになに

そんなの予定あっても無いって言うに決まってる。



「予定なかったらメシいかん？」

「え！行きます行きます行きます！！！」

「変な期待すんなよ
誘ったやつ暇やなくてお前3番目に誘ってるんやからな」


それでも嬉しい。


「後で店の場所送っとくから」

「はい！」


リリーさんは手を軽くあげて楽屋の方に戻っていく。

その後ろ姿も見惚れてしまう。


のち

…わたし今日めちゃくちゃダサい格好で劇場まで来ていた事を思い出す。

うわうわうわ、パーカーにスキニーにスニーカーって。
完全に男のスタッフさんと同じ格好。



「あ、Aちゃんおはー！！」


焦っていると後ろから、
仲良しの荒川ちゃんが声を掛けてきた。

ナイスタイミングすぎて目を見開く。


「え、何なに、目、キまっちゃってる」

「荒川ちゃん！デート服買いに行こ！」

「は？めっちゃおもろそうなんですけど。いつ？」

「今！！！」




.

めっかわやけど→←出会い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す