1,やっぱりこうなるんだよ ページ3
「あ”ぁ！？っざけんな！！」
その後に響いた怒号に、組員の男が頭を抱えた。
男の名前は玄野針。何故彼が頭を抱えることになったのか。
時はほんの少し遡る。
***
「「挨拶？」」
と、部屋に呼び出された二人の影がハモる。そんな二人を前にして、死穢八斎會と呼ばれる組の組長が笑った。
「これから取引する組の方に挨拶に行ってもらいてぇんだ」
組長の言葉を聞いた男の影が分かりました。と頷く。
しかし、影の一つ。小さい方が「でもよぉ…」と口を開いた。
「自分は無理じゃないっすかね…。すぐ怒るし、歯止め聞かなくなっちまう…」
「そん時は、針に任せる」
針と呼ばれた男が「私ですか…」と苦笑いを作る。とても納得しているようには見えない。というのも、怒ったAを止められたことが無いからだ。
Aもそれを理解しているのか、「いやぁ…」と口ごもる。恐らく、一番自分が止まらないのが分かっているのだろう。
「とにかく、もう言っちまったしなぁ。行ってもらうしかねぇんだ。頼んだぞ」
「親父に言われちゃ、仕方ねぇんだけども…」
憂鬱は拭えねぇな、と心の中で呟いた。
そして、言われた場所に着き、足を踏み入れる。冷静に、冷静にと自己暗示を繰り返していたのだが…。
針と会話をしていた男がチラッとAに視線を移す。針は僅かに嫌な気配を察知した。
「そちらの方は？」
「…道明 Aです」
男が、スッと目を細めてAを見回す。不快な視線に、怒りそうになったが耐える。
「いかにも、陰湿そうですが。そちらにはこのような方が多くいらっしゃるのですか？」
「あ」
思わず針が声を上げる。これはまずい。というかアウトだ。
___こいつの人生終わったな。
「そのようなことがあるのなら、取引は無理です」
「こちらも株を下げる訳にはいかないので」
「すみませんが」
「大人しく聞いてりゃ、ちまちまネチネチ……」
スッと立ち上がったAをなだめようと針がAの手を掴むが針はAに軽く投げられ、部屋の襖の奥へ飛ばされる。
「こっちだってな。人様の容姿で取引やめようとするような野郎と関わりたくねぇんだよ！！！こんの、クソメガネ野郎がああああ！！！！」
と、テーブルを男に向かって投げる。
「最初から断る予定なら、もっとマシな嘘つけやああああ！！！」
そんなAの様子を眺め、針はぼんやりとこれからの事を考えていた。
____あぁ。損害賠償が高くつく。
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マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月20日 16時) (携帯から) (
レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
いずでく - うわーーーーん！ (2019年1月8日 16時) (レス) id: c864c21ee8 (このIDを非表示/違反報告)
ねじる - 泣きました。。。良いお話です。でもこれ見ると、死穢八斎會の人達ってホントにヴィランなのかな？って思えてくるwww良いことですけどね！ (2018年12月9日 15時) (レス) id: b17a466711 (このIDを非表示/違反報告)
百聞(プロフ) - ゆうなさん» 泣いていただけるとは思いませんでした。ありがとうございます。感動していただけたことが何よりも嬉しいです。 (2018年4月29日 13時) (レス) id: c88b707ff9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めっちゃ泣いてます………感動しました…素敵なお話ありがとうございました…！！！完結おめでとうごさまいます。更新お疲れ様です (2018年4月29日 13時) (レス) id: b1153871a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百聞 | 作成日時：2018年3月4日 21時
