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砂利の道を少し歩くと、足音に気づいたユンギがこちらを振り返る。
待ってましたとでも言うような顔で、私を見た。
私はソクジンと色々あったあとなのに、こいつだけ余裕なのが腹立つけど、今はなんか許せた。
YG「おいで、A」
そう言って立ち上がり、私に向かって両手を広げてくる。
なにそれ、ずるい、
そんなの、飛び込むしかないじゃん。
「ユンギっ、!」
YG「遅すぎ、すげえ待たされた」
「ごめんなさい、」
YG「許せねぇな」
そう言って甘く口付けをされた。
いつもみたいに激しいキスじゃない、優しく包み込むキス。
やっぱりユンギだ、ユンギのキスだ。
そう実感したら、なんだか泣きそうになってくる。
ずっと、こうしたかった。
そして伝えたかった言葉が、次々に溢れ出て止まらない。
「やっぱりユンギしかだめだった、自分勝手でごめんっ、離れてごめん…、」
YG「…あー、分かったから」
「ごめんっ、ごめんね、」
YG「うっせぇな、黙って泣けよ」
「ううっ…、」
ユンギの大きな胸をかりて、私は大泣きした。
そして、大切な人がこんなにも近くにいる尊さを噛みしめた。
幸せは当たり前じゃない。
自分で掴むものだし、相手に掴んでもらうもの。
YG「まあお前には俺しかいねえってこと、最初から分かってたから」
「ごめん私、気づくの遅すぎたよね、」
YG「ほんとだわ、寒くて死ぬかと思った」
寒いのに宿の中に入ろうとしないのは、私から離れたくないのか、それとも私で温まっているのか。
どっちでもいいし、どっちでも嬉しい。
このまま時が止まればいいのに、なんてくさいことを考えた。
「私が来なかったら死のうとしてたんでしょ?テヒョンから聞いたよ」
YG「あいつあとで殺すわ」
ほどほどにね、とユンギの真っ白な手をとって、宿の中に引っ張った。
温かくて、幸せだった。
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さくらんぼ - ユンギヤアアアアアアアアーー!! まじで 可愛い キヨ (2019年6月17日 23時) (レス) id: c306612a0b (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 空気読めなくて図々しい彼女ちゃんにもはや爆笑 (2018年12月5日 11時) (レス) id: 783d9deaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - もうシムクン(胸きゅん)だらけでやばい…。ユンギ好きこのお話みたいに愛されたい← (2018年11月27日 18時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
moai(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます! (2018年11月25日 18時) (レス) id: d5d0b8a583 (このIDを非表示/違反報告)
兎に恋した兎 - このユンギさん推せます。 (2018年11月11日 20時) (レス) id: 5d350162f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋 | 作成日時:2018年10月11日 19時