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「美味し〜!」
もちもちの大福を口いっぱいに入れて幸せそうに頬張る三治郎。
他の一年生も、私の持ってきた大福に舌鼓をうっていた。
『醜態を晒してしまって申し訳無い...介抱もありがとうございます。』
「いやいや、いいよこれぐらい。でも良かった、毒じゃなくて。」
蜘蛛に恐怖を植え付けられ、卒倒してしまった私を心配して、竹谷くんは委員会を切り上げて介抱してくれた。
そして、そのお詫びとして、大福をごちそうしていたところだ。
『改めまして、くのいち教室5年のAです。他の委員会も兼用しているので、5日間に1度お手伝いに来るつもりです。よろしくお願いします。』
「生物委員会委員長代理の、5年ろ組竹谷八左ヱ門です。こちらこそ、手伝ってくれてありがとうございます。よろしくお願いします。」
「『...』」
特に話す話題もなく、一年生たちに大まかな仕事内容は教えられているため、沈黙ができる。
これは良くない...大人だと話題が分かるけど、同年代は知らない...!ど、どうしよう...
「あのさ、堅苦しいのはよさないか?ほら、同い年だし、敬語は無しでさ。」
静かな間に困っていると、話を振ってくれた。
先程の頼りがいや、今の言動から、気の使える年上のように見えた。
『そ、そうだね!じゃあ、お言葉に甘えて、八左ヱ門...でいいかな?』
「!おう!...Aってさ、今まで会ったことないよな?恒例行事ってわけじゃないけど、忍たまイビリとかでさ。」
『!うん...そうだね。同年代とは会わなかったかも。年上の先輩とずっと一緒にいたから。』
「へー...それって、あの先輩?」
『そう。美してくて気高い、尊敬してる先輩。』
思い出すと、別れが涙腺を刺激する。
あぁ、先輩...会いたいです...
涙を噛み締めていると、八左ヱ門が「でもさー、あの先輩、俺あんまり好きじゃなかったんだよな。」と言い出し、空気が冷たくなった。
『...ふーん、なんで?』
「いや何でって、婚約者のために初めては取っておかなかったんだろ?それってどーなのかなって思ってさ。」
段々、顔がこわばる。
『...んー、それは、くのいちだからしょうが無いよ。』
「そうかなー?最後までヤらずに、さっさと情報引き出せばいいのに。房中術って、その為に練習するんだろ?前戯で頑張れって思ってしまうんだよ。」
『...忍たまにはわかんないよ、くのいちの大変さ。』
あ、もう駄目だ。堪忍袋の緒が切れる。
次の瞬間、私は目を見張った。
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もち米マン(プロフ) - コメント失礼します!お話し面白くてスラスラ読めます!19,20話が抜けていますがミスでしょうか?確認お願いいたします(..) (9月9日 21時) (レス) id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 待って最推し、、めちゃめちゃ心臓にキて好きです…最高に私得すぎる。。更新楽しみにしてます、! (8月24日 3時) (レス) @page12 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 更新頑張って下さい!!!!!正直に言えば夢主ちゃん以外のオリキャラがいなければええな〜って思いました!まぁ、それを無視して読んでます。アンチではないのでご安心を!!!!!!これからも暇さえあれば読んどきます! (2023年2月12日 0時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
シュモくん(プロフ) - 小桜さんすみません( > < *)՞՞確認不足でした!ありがとうございます。 (2022年11月5日 19時) (レス) @page23 id: b925ba0735 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 19ページの数馬くんの説明(?)のところ、保健が保険になってます。一応、お伝えしときます! (2022年10月16日 23時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュモ | 作成日時:2022年8月10日 15時