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『こんにちは〜。委員会のお手伝いに来ました。くのいち教室5年生のAです。』
本日伺うのは保健委員会。保健室を伺うと、口が苦くなりそうな薬の匂いがする。
当番の面々を見るとみんな優しそうな雰囲気で、早く馴染めそうだ。
「よろしくね。早速だけど、包帯を巻くのを手伝ってほしいんだ。」
『分かりました!おまかせください。』
委員長の善法寺伊作先輩に白い細い布を渡される。天日干ししたのか、ぬくもりを感じた。
包帯巻き機が無いので、とりあえず自分は地道に巻いていくことに。
『...む...んん?上手くいかない...あの、コツとかありますか?3年生の...君。』
「...あ、僕ですか!?えっと、包帯はここをこうして...」
紫頭の目立った3年生。名前を知らなくて、つい「君」だなんて言ってしまったので、包帯の巻き方を教えてもらった成り行きで、名前を聞き出すことにした。
『ありがとう...!教え方上手だね。名前なんていうの?』
「3年は組、三反田数馬です。先輩も飲み込みが早いですね...!すぐに覚えられてすごいです。」
「君」改め、三反田数馬くんは、私と同じく包帯を巻いている。私のものとは比べ物にならないくらい綺麗で、手慣れていた。
(私も頑張らないと...!)
その様子を見て目を丸くし、私も心の中で意気込んだ。
◇◇
「わっ...!先輩、早いですね...」
『え?』
夢中で包帯を巻いていると、ふいに数馬くんが声をかけてくる。
よく見ると、布がこの一巻きで終わりそうだった。
『つい夢中に...最後までなかなか綺麗にならなかった...』
「そんな、初めてにしては上出来ですよ。」
『本当〜?』
自信なさげに弱々しくなる私を、数馬くんは凄い凄いと褒めてくれた。それだけでも、やったかいがあるものだ。
「それにしても、よく僕に気づきましたね。」
『?それは気づきますよ。数馬くんの髪の色は目につきますから。どうしてですか?』
なんのことか知らずにそう言うと、かえって目を輝かせる数馬くん。
逆に聞き返すと、顔に影が落ちた。
「いや、自分で言うのも何ですが、影が薄くて...だから人に気づかれにくいといいますか...まぁ、忍者にとっては良いことなんですけどね。」
困ったように笑う彼。相当悩んでいることが顔から伝わる。
これは、借りを作った先輩として、少しでも力になってあげたいものだ。
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もち米マン(プロフ) - コメント失礼します!お話し面白くてスラスラ読めます!19,20話が抜けていますがミスでしょうか?確認お願いいたします(..) (9月9日 21時) (レス) id: 483e70a4e0 (このIDを非表示/違反報告)
ねう。(プロフ) - 待って最推し、、めちゃめちゃ心臓にキて好きです…最高に私得すぎる。。更新楽しみにしてます、! (8月24日 3時) (レス) @page12 id: dee5bda7f0 (このIDを非表示/違反報告)
勘ちゃんに食べられたいお菓子🍡 - 更新頑張って下さい!!!!!正直に言えば夢主ちゃん以外のオリキャラがいなければええな〜って思いました!まぁ、それを無視して読んでます。アンチではないのでご安心を!!!!!!これからも暇さえあれば読んどきます! (2023年2月12日 0時) (レス) @page34 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
シュモくん(プロフ) - 小桜さんすみません( > < *)՞՞確認不足でした!ありがとうございます。 (2022年11月5日 19時) (レス) @page23 id: b925ba0735 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 19ページの数馬くんの説明(?)のところ、保健が保険になってます。一応、お伝えしときます! (2022年10月16日 23時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュモ | 作成日時:2022年8月10日 15時