【FGO】ふわり (ページ3)

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｢...そっか｣

そう言って私は目を閉じた
ダ・ヴィンチちゃんから聞かされた
人理焼却を阻止したこと
そしてロマニ・アーキマンことソロモンが英雄の座を捨てて消滅したこと

何故彼を失わなければいけなかったのだろうか
私ならこんなに時間もかけずに、彼を失わずに全てを終わらせたであろうに

まぁ、仕方ないか
ただの一般採用枠だしね

いつかそんなことをロマニに言ったことがあった
そしたら全力で怒られた気がする
頑張ってくれてる人にそんなこと言うんじゃないって

君は確かに天才だし、最高峰の魔術師だし、なんでもこなせちゃうからそんなこと言うけど、彼だって彼なりに頑張ってくれてるんだから
そう言ってロマニは私の左足を触った
左足...爆発の際に地味に骨折した場所
こんなの魔術でなんとかなるとか思ったんだけどロマニに安静って言われたから大人しくしていただけ

それが仇になるなんてね
そんなことを思いつつ魔力を使い骨折を治す
安静と言った彼はもういないのだから

｢君か、ヴォーダイムか、他のAチームの人なら怪我人も少なく、失うことも少なく、早く終わらせられたのにね｣

そんなことを言いながら花の魔術師マーリンが現れた

｢そうね、私ならロマニも失わずに全てを終わらせたはず｣

｢君が藤丸君の手伝いをしなさいって言うからしてきたけど、なんでだったんだい？｣

第七特異点バビロニアでのことか

｢あれはゲーティアが直に聖杯を置いたのだろう？
そんなの一般採用枠が簡単に取り戻せるわけないと思ってね｣

｢相変わらず意地の悪い人だ｣

苦笑しながらポットにお湯をいれ、ココアを作ろうとしてくれるマーリン

｢彼みたいにお菓子はないけれど許してくれるかな？｣

コトリとココアの入ったカップを私の近くに置いてくれる
そんなところはロマニに似てる

マーリンが私の隣に座る
ふわりと花の匂いがした

｢いい匂いがする｣

｢それは大いに嬉しいね
なんて言ったって花の魔術師マーリンだからねぇ｣

そう言って彼は妖艶に笑う

｢年明け前には皆が解凍されるらしい｣

それもダ・ヴィンチちゃんから聞いた話

｢彼らは一体どんな反応をするんだろうねぇ｣

興味無さそうにマーリンは言った

｢さぁ？私には関係ないことよ
どうせ私はAチームの仲間なんだから｣

いつものように言い放つ

｢やれやれ、ロマニと過ごして少しは柔らかくなったかなと思ったらまたお戻りか｣

当たり前でしょ

｢彼はここにいないのだから｣