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誰も分かるわけがない
私の苦しみが!どれだけのものか!
苦しみだけで生きてきたんだから!
藤丸立香への復讐のためだけに生きてきたんだから!
なのに、復讐じゃなくなってしまった
ただの八つ当たりになってしまった
いつも思っていた
藤丸立香が最後のマスターにならずに、私が最後のマスターになったら
そしたらロマニを独り占めできるのにって
そんな欲張りな私へ神様からのプレゼントがあの爆発だったのかしら
まぁ、実際には神様じゃなくてレフ・ライノールだったわけだけど
「...落ち着いて考えると無価値なのね、私って」
「...そんなことはないと思いますけど」
そう言って私に近づいてきたのはオフェリア・ファルムソローネ
「...あら、オフェリア
なんでこんなところに?貴方はヴォーダイムに忠誠を誓っているはずでは?」
「そのヴォーダイム様からの伝言を届けに来ただけです
...忘れたわけではないよな?と」
忘れたわけではない、か
「当たり前よ
忘れるわけないじゃない
オフェリアでいう日曜みたいなものなのよ?」
「...私のことはどうでもいいでしょう?」
苦虫を噛み潰したような表情をするオフェリア
「そんな顔をさせたかったわけではないのだけれど...申し訳ないわね」
とりあえず謝っておく
「いいえ、大丈夫です」
そう言って立ち去ろうとするオフェリアに私は思わずこう言ってしまった
「あんな人達に負けない
私の今までを潰したあの人たちに」
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作者名:魅愛 | 作成日時:2018年5月9日 18時