糸が結びつくその日まで。～spring～ (ページ36)

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貴「…失礼します。」

舘「ん？どうした？そんな

浮かない顔して。」

貴「いや、大丈夫です…」

舘「大丈夫じゃ無いから聞いてるの。

なんかあった？」

貴「…美優に一緒に帰るの

断られちゃって…。ラウールくんと

デート行くからって。」

舘「そっか。まぁ、わからなくもないけどね。

本人たちはすごい楽しいだろうし。」

貴「はい…。嬉しいんですけど、

どこか羨ましくて。」

舘「親友の恋を素直に嬉しいって言えるのは

すごく素敵なことだよ。

でも、それ以上に引っかかるなにかが

あるのかな？」

貴「自分でもわからないんです…

この気持ちが何なのか。

好きな人がいるとかでもないのに

モヤモヤするというか…。」

舘「恋したいんじゃない？Aも。」

貴「そうなんですかね…」

舘「好きなタイプとかあるの？

優しい人がいいとか、年上がいいとか。」

貴「優しい年上の人がいいです…。

なんか同級生は自分には合わないなって思うんです。」

舘「そっか。じゃあ卒業してからかな。」

貴「やっぱそうですよね…」

舘「恋は焦ってするものじゃ無い。

今はモヤモヤするかもしれないけど、

そのうち晴れるから。ね？」

そう言って頭をポンポンとしてくれる。

宮舘先生に言われるとなんか納得してしまう。

今年の夏は美優とも遊ばず、1人寂しい夏休みに

なりそうだ…。大人しく進路でも決めとこうかな。