糸が結びつくその日まで。～spring～ (ページ18)

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放課後＠保健室

舘「愛崎さん、家は近く？」

貴「あ、歩いて30分くらいです。」

舘「そうか…。ちょっと待ってて。」

そう言って保健室から出ていった宮舘先生。

ベッドの上に座って待っているとそこにやってきたのは

向井先生と宮舘先生だった。

向「A、大丈夫か？」

貴「あ、はい！だいぶいいです。」

舘「俺が送って帰ってあげたいところなんだけど、

まだやらないといけないことがあってね。だから、

康二に家まで送ってもらって？」

貴「えっ！？そんな、申し訳ないですから、

自分で帰りますよ。」

舘「俺が心配なの。明日も体育祭の練習あるし、

女の子は身体を大事にしないと。ね？」

貴「わかりました。」

向「じゃあ、俺、車回してくるから下駄箱で

待っててな！」

向井先生が保健室から出て行き、宮舘先生と

2人きりに。

舘「あ、そうだ。明日の放課後、

このあいだの古典の小テストの補修をしようかなって

思うんだけど、大丈夫そうかな？」

貴「あ、はい。大丈夫です。」

舘「よかった。でも、体調が優れないなら

無理はしないこと、いい？」

貴「はい。」

舘「よし、いい子だ。」

なんて言って頭を優しく撫でてくれる。

男の人にこんなことされたことないから、ちょっと

触れられるだけで心臓が跳ね上がってしまう。

舘「じゃあ、また明日ね。」

貴「はい！失礼します。」

舘「気をつけてね、A。」

貴「えっ…今、名前…」

舘「俺の生徒なんだからいいでしょ？

もっと距離縮めたいし。

ほら、康二待ってるから行きな。」

貴「えっ、あっ、はい！」

宮舘先生に下の名前で呼び捨てされただけで

頬が緩んでしまう。それに頭まで撫でられて

内心キュンキュン。

しょうじき、体調はそこまでよくないけど、

宮舘先生に会いたいから、明日も学校に行こう。

最初はよくわからない先生だったけど、今まで

出会ってきた先生の中で、1番

大好きかもしれない。もちろんそれは

生徒と先生の関係で。