縁の始まり【Fischer's】 (ページ39)

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シルクの部屋にお邪魔してカンタのことを聞かれた

もちろんカンタは幼馴染みであることに変わりはないし、カンタと付き合った覚えはない

しっかりと自分の言葉にして答えるとシルクが黙ってしまった

「ごめん、おれ勘違いしてた」

と頭を下げる

「えっ？そんな！ぜんぜん大丈夫だよ？？」

と下げた頭をあげてもらう

「おれAがカンタと付き合ってるのかとばっかり思ってた、勘違いして悪かった」

とまだ申し訳なさそうにしている

「大丈夫だよ？もう長い付き合いだからよく言われるしねww」

と明るく返した

「マサイ、まだ寝てるんだ。昨日酒飲ませすぎちまって、起こしてやってくれないか？」

と言ってマサイの家の鍵を渡した

「A、よろしく頼むな」

と、まるで別の意味のことかのように

「起こすだけで大袈裟だよwwじゃあ、行ってくるね！」

鍵を受け取って部屋を出る

(あぁー。なんかドキドキしたww)

さっきまでいたマサイの部屋の前に着く

(鍵は借りたけど、開けていいのかな...)

待ち合わせの時間だった11時はとっくに過ぎた

もうお昼に近い

もう1度インターホンを押す

ピンポーン

・・・・・。

やっぱり使うしかないかな

ガチャっ

「おじゃましまーす」

なんだか久しぶりな気のするマサイの部屋に入った

リビングのテーブルには沢山の空になったビールの缶があった

(この量を二人で飲んだんだ)

リビングにはマサイはいない

奥の寝室のドアを開ける

(いたっ！)

すぅーっ、すぅーっと小さないびきをかいている

寝ている間に枕を飛ばしてしまったようで布団の上で枕なしのまま寝ていた

マサイの寝ている隣に座る

(まつ毛長いな～)

「マサイ？おはよう！おきて～」

と声をかけたが、まだ起きる気配はない

(もしかして、マサイもシルクと同じように勘違いしていたのかな)

勘違いさせてしまった申し訳なさと悲しさに胸が痛くなる

「んっんぅーっ・・・・・」

目を閉じたまま手が何かを探している

(ん？)

マサイの手が膝に触れた

(えっ？)

そのままマサイの手は腰の後に頭は膝の上に

(あっ。あっ////)

マサイに抱きつかれ膝枕をしている状態になる

(えっ？なにこれ！？どーしたらいいの？？)

目当ての枕を見つけられたからかマサイはまた寝てしまった

(ちょっ。ちょっと！誰か助けて～)