縁の始まり【Fischer's】 (ページ32)

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Fischer'sの3人と水溜りボンドの２人が話している
後ろでオレンジジュースを口にする

(マサイに会うの久しぶりだなぁ～、あの日以来だから顔合わせずらい.....。でも明日映画行く約束してるしな～)

考え事をしながらぼーっとしていた

5人は次はどんな動画を取りたいかとか、コラボしよとか話してて楽しそう

(男の子って女の子がいても結局は自分たちだけで楽しんじゃうんだよな～)

と、背の高い男の人と目が合った

さっき、カンタに話しかけてた人だよなぁ～

ちょっと怖い感じがして軽く会釈をして終わりにした

相変わらず盛り上がっている5人の向こうに外のテラスに向かっていくマサイが見えた

(あれ？どこ行くんだろう、タバコは吸わない人なはず.....)

気になったからそっちに向かっていく

一応カンタに一言伝えた方がいいかなと思ったけど、楽しそうに話しているのに水を指すのは忍びなくて、すぐ戻ってくるからね！と心の中で呟いた

テラスを出たところは庭園になっていた

薔薇の花が咲いているのが綺麗だった

キョロキョロ

(あっ、いた...)

その中で花に向かってカメラを向けるマサイの後ろ姿が見えた

庭園は外だったので月明かりが綺麗だった

小さなバッグに入れていたスマホを出して写真を撮った

スマホの画面には

満月と薔薇、そしてカメラを覗くマサイの横顔

一枚の絵のように完成されたそれはとても美しかった

それをスマホのホーム画面に設定した

「A？なにしてるの？」

と気がつくとマサイがこっちを向いていた

「あっ！ううん！何でもない！」

と慌ててケータイをバックにしまう

(わたしなにしてんだろ////)

「あっ、えーっと、マサイは？なにしてたの？」

「花を撮ってた」

と言うと私の周りを見た

「カンタは？」

「えっ？...中にいるけど...？」

「なんでこんなとこにいんだよ、パートナーはあいつだろ、早く戻れよ」

私と合った目は冷たい色をしていた

そして、背を向けて行ってしまった

・・・。

近くにあったベンチに腰掛けた

スーッ

冷たい言葉に目からは涙がこぼれた