【HQ!!】ねぇ、先輩。【黒尾鉄郎】-完- (ページ21)

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『おはようございまーす…っても誰もいないよね～』

なんていつも通りに朝早く行き、

朝練の準備を進める。

ドリンクとタオルを用意して、

ネットを立てて、

モップも掛ける。

これも全部、選手が気持ちよく練習できるようにするため。

でもそんなことをして部に尽くす時間が好きだった。

今まで中学でも帰宅部で、

青春と呼べるような青春をしていなかった私にとって、

部活という居場所は最高に幸せだった。

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そしてその日も普通に朝練を終え、

普通に研磨と教室に向かう。

そして普通に授業を受けて、

普通にお昼をバレー部と食べた。

何ら変哲のない半日だった。

お昼ご飯から帰ってくると、

男の子の文字で机に1枚の紙が入っていた。

「放課後、倉庫裏に来て下さい。

お話したいことがあります。」

告白かな？と、期待をした。

今どきこんな形で呼び出されることあるんだ、

なんて多少不思議に思っていた。

でも、やっぱり少しドキドキもした。

『研磨、私放課後ちょっと用事あるから遅れますって黒尾先輩に伝えといてくれる？』

孤爪「わかった」

スマホゲームに夢中になっている研磨は、画面に目を落としながらそう答えた。

それから午後の授業も普通にこなし、

ドキドキの放課後を迎えた。

どんな子かな、

とか、

どんなこと言われるんだろう、

とか、

どんな告白がいいかな、なんて期待しながら向かう。

でも、

そこにいたのは、

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男の子1人では無かった。

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男子が3人と、

女子が4人。

ああ、3年生だ。

黒尾先輩の教室に行ったときに見たことがある。

男「本当に来やがったな」

女「アンタらの手紙のお陰だよ」

男「ったく感謝しろよなぁ」

それで全て理解した。

私は騙されたんだ、と。

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