【HQ!!】ねぇ、先輩。【黒尾鉄郎】-完- (ページ19)

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#19 ページ19

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『先輩、ごめんなさい』

なんで…

『私もうダメかもしれないです』

なんでだよっ…！

『黒尾先輩が助けにきてくれないからっ…！！』

行くなって…！！

離れていく背中に、手は届かなかった。

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＿＿＿ピピピッピピピッ

スマホの目覚ましで現実世界に戻される。

黒尾「くっそ、最悪…」

本当にどっか行っちまうんじゃねぇか、なんて不安が消えない。

いてもたってもいられなくて、LINEを確認し、

昨日のAの「おやすみなさい！」で終わったトークを見て少し安心した。

黒尾：おはよ

なんて返してスマホを閉じる。

今日から学校も始まるっつーのに気分最悪だわ。

黒尾「はぁ」

黒尾母「なによ起きて来て第一声ため息なんてついちゃって」

黒尾「色々大変なんですぅ」

母さんとの会話をか交わしながら朝飯を食べ、家を出る。

そして研磨と合流し朝練に向かう。

黒尾「あっちぃなぁ」

孤爪「まだ5月だけど」

黒尾「これからもっと暑くなると思うと黒尾サン怖くて仕方ありません」

孤爪「…」

黒尾「ちょっと無視はやめようよ無視は」

研磨もいつも通り。

でも学校に行くのが妙に怖い。

昨日まで一緒にいたっつーのにAに会うのが妙に怖い。

今日の夢のせい。

そして学校に着くなり部室に行く。

あーあ、これでAいなかったらどうしよう。

＿＿＿ガチャ

黒尾「はよーっす」

いつも通り、Aのカバンが放り投げてあった。

黒尾「よかった…」

なんて独り言が漏れる。

夜久「え、なにお前、Aのカバン見て「良かった」ってなに。こわ。」

黒尾「ちょっと色々あったんすよ」

灰羽「夫婦喧嘩っすか！？」

黒尾「ちげぇよ！」

まぁいるならなんでも良いわ。

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この夢が1ヶ月後のあんなことを暗示していたのかと思うと、

少し怖く感じた。

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