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*
しっかり手を繋いで海岸沿いを歩く。
『涼太の手、大きいなぁ〜』
黄瀬「そうっスよ、男なんスから」
『そりゃそうか笑』
俺の手を少し強く握るAっちの手を、
俺も少し力を入れて握り返した。
『あ、彼氏と沖縄旅行じゃんこれ笑』
黄瀬「俺も念願の “Aっちとの” 沖縄旅行っスわ」
『なにそれ〜』
俺の手を引いて少し前を歩く後ろ姿は、
もうただの友達じゃない。
その後ろ姿は、“彼女” 。
黄瀬「俺実は中2の頃からAっちのこと好きだったんスよ?」
『んー、中学の頃ちょっと気付いてたんだよね』
黄瀬「え!?」
衝撃の言葉。
『それっぽいこと何回か言われたじゃん。それでちょっと気付いてた。笑』
黄瀬「なんスかそれ超恥ずいんスけど!笑」
『あの時どんな反応すればいいか分かんなくてただただ笑ってたなぁ〜』
黄瀬「ほんと、全然気付いてくれなくて苦戦してたのにまさか気付いてたなんて…」
『ごめんね?笑』
まぁでも、最終的に俺を選んでくれたんだからオールオッケーっス。
黄瀬「いいっスよ、こうやって手繋いで歩いてる事実がもう嬉しすぎるんで」
『可愛いじゃん』
そう言ってAっちは指を絡めてきた。
『恋人繋ぎ』
イタズラに笑う笑顔も、もう全部俺のもの。
そう考えると、自分の彼女っていう実感が湧く。
黄瀬「可愛すぎっスよ、それは」
平然を装って、
でも心臓の音はうるさかった。
『もう彼女だし?』
可愛いしか言えなくて、
Aっちに語彙力を全て奪われたよう。
「可愛い。」
本当にその言葉がピッタリ。
黄瀬「もうなんなんスか、幸せすぎっス」
あっはは、と笑ってAっちは歩き出す。
『海入ろーよ!まだ9時前だけど』
海を指さして。
潮風に吹かれて、少し眩しそうに目を細めるAっちはとても美しかった。
黄瀬「そうっスね、入ろっか!」
サンダルで走り出したAっちを、
レンズで捉えた。
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まみ(プロフ) - この続編が見たいです! (2020年10月25日 21時) (レス) id: 911d660f53 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - 姫坂ひなのさん» わあああありがとうございます!!!今稲荷崎を書いているのでぜひ!! (2020年4月4日 22時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
姫坂ひなの(プロフ) - キャアアアァ素敵な話でした…!新作のハイキュー!!のも楽しみにしてますね! (2020年4月4日 21時) (レス) id: 0879417deb (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!推しは赤司ですが、黄瀬と虹村さんも好きです!!!! (2020年4月4日 17時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - すごく面白かったです!推しってやっぱ黄瀬君なんですか? (2020年4月4日 16時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2019年12月27日 12時