【HQ!!】逆向きの下心。【及川徹】-完-

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『みんなええ知らせと悪い知らせどっちから聞きたい？』





午後練の前。




Aが部室に入ってくるなりそう言った。





岩泉「ほんっとAっていつも爆弾持ち歩いてるよな」



花巻「それな」



『で、どっちから聞きたいか聞いてんねん』



及川「悪い方から聞こうかな？」



『悪い方やな、今日のメニュー前半外周やって』



松川「うわ…」



花巻「まじか…」





一気に顔が青ざめる部員。





この暑い真夏で外周は本当にキツい。





岩泉「で？良い知らせは？」



『合宿で白鳥沢と練習試合するらしいで』



花巻「おいおいおいおい」



岩泉「良い知らせって言ったよな？A」



『ええ知らせやん！』



及川「ほんっとAってそういうとこ！」





明後日に終業式を控え、





それが鬼の練習メニューのスタートになる。





例年通りなら。





及川「俺、今年の夏生きて帰れないかも。」



『なんや、汚物袋用意しといたろか？』



岩泉「キラキラ出さなくても入れてぇくらいだな」



及川「え、岩ちゃん酷くない！？」



『まぁ頑張り、先体育館行っとるで』



花巻「おーう」





そしてAが部室から出たあとは、少し寂しかった。





花巻「やっぱAって関西人って感じするよな」



松川「話してるのがまず関西弁だからな」



及川「可愛いよねぇ関西弁」



岩泉「それは否定できない。」





バレー部の仕事もしっかりやってくれるし、



関西弁も容姿も可愛いし、



あと笑顔の破壊力がエグい。





インハイ予選、俺たちが白鳥沢に負けた時も一緒に泣いてくれた。




なんなら俺らより泣いてたかもしれない。





「春高までまた “一緒に” 頑張ろうや」





って。





キャプテンの俺に、





「キャプテンやからって全部背負い込む必要ないんやで？」



「人前で泣きたないなら、1人で泣いたらええ。」



「期待してんで、キャプテン。」





そんな甘い言葉は、ズルいじゃん。





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