#28 ページ28
*
『綺麗やったな!』
及川「もう少し長く見ていたかったね」
『せやなぁ〜』
もう少し、Aと2人きりの時間を過ごしたかった。
すでに離れた手は、もう握れない。
なんでそんなに何事も無かったかのようにいれるの?
俺なんか、
今でも心臓がうるさいのに。
『
及川「そうだね」
まだ2人きりでいたいのに。
言いたい、
まだ2人でいたい、って。
『どないしたん』
及川「え?」
自分の手は、Aの浴衣の袖を掴んでいた。
及川「あ、えっと、」
『なんや体調でも悪いんか?』
及川「ううん」
『さよか、行くで』
及川「やだ」
『え、何言うとるん…?』
やだよ。
みんなと合流したらまたマッキーたちに取られちゃう。
『どないしたん徹、変やで』
及川「ちがっ…!」
『…?』
及川「もう少し…」
『え?』
及川「もう少し2人で遊ばない?」
『えっ…』
明らかに動揺するA。
『う、うちはええけど、
及川「いいよ岩ちゃんは。大丈夫。」
きっと岩ちゃんなら気付いてくれる。
『さよか?』
及川「うん、きっと大丈夫。だから、行こ」
『ちょ、徹!』
Aの手を引いてまた人混みに入る。
手首を掴んでしまったことを今後悔した。
そのまま手を繋ぎたかった。
『徹、痛い』
及川「ご、ごめっ…!」
自分が思っていたよりも強くAの手首を掴んでいた。
『繋ぐなら、手にしよや』
及川「い、いいの?」
『なんや今さら、さっき繋ご言うたの自分やろ?』
及川「じゃあ、」
なんてAの手を取った。
さっきはドキドキで気付かなかったけど。
Aの手は柔らかくて、小さくて、
とても女の子だった。
『カップルみたいやな?』
及川「傍から見たらカップルだよ」
『青城生に見つかったらどうすんねん』
少し嬉しそうに笑ったように見えたのは、俺の気のせい?
及川「俺は見つかってもいいけどね?」
『なんや奇遇やな、うちもええで?』
なにそれ。
めっちゃ可愛いじゃん。
及川「じゃあ、これは…?」
そう言ってまた恋人繋ぎをする。
『肉食やな?』
そう言ってAは笑った。
*
181人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mi…(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます!!好きと言ってもらえると嬉しいです!!新作もお楽しみにしててください!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - 黒崎零菜さん» ありがとうございます!!好きと言ってもらえると嬉しいです!!新作もお楽しみにしててください!! (2020年4月20日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎零菜(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白かったです。この作品は個人的に好きでした!新作楽しみにしています (2020年4月20日 18時) (レス) id: 943180d6d6 (このIDを非表示/違反報告)
mi…(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます!!!!頑張ります!!!! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 4065260f63 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 完結おめでとうございます!お疲れ様でした〜!!一途な及川さん素敵でした!次作も頑張ってくださいね! (2020年4月19日 17時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mi… | 作者ホームページ:I don't have.
作成日時:2020年3月29日 2時