月下の奇術師に惚れられたようです。【怪盗キッド】

きゅう ページ10

ピピピピッピピピピッピピピピッ





『……うるさいなあ…』





何の音だ？私はまだ寝てたいっていうのに…





……ん？？？？？





待って今日何曜日？？？？





慌てて布団を蹴り上げ、時計を見ようとするとベッドから落ちた。痛い。





『…ああ。今日月曜日かあ。』





ただいまの時刻8時32分。





東條A、本日も遅刻かましました。





＿＿＿＿＿＿＿＿＿






「おっそーーい！A、また遅刻！？」




ひい。今回も園子に怒鳴られる。




『ごめんて、昨日の興奮が冷めきらなくてよく寝れなかったの。』




なんてね、まあ興奮したっちゃしたけど寝れないほどじゃあない。





「まあそうだよね。だってあのキッドにお姫様抱っこされたんだもの！」




蘭が興奮気味に言う。




ちょっと、そんなこと言うと園子が…




「もう、Aったらずるいわよ！！愛しのキッド様にお姫様抱っこなんて聞いてないわ！」




ほらあ…また怒鳴られちゃうじゃん…。




『待ってよ、私だってされたくてされた訳じゃ…』




「言い訳は聞きたくないわ！」




蘭と顔を見合わせる。




「それで？キッド様、顔どんなだったの？」




わくわく、といった表情で詰め寄られる。




『…んー綺麗な顔してたよ。背も高かったし。』




モノクルで隠れてはいたものの、鼻が高いことや顔が小さいことは分かった。





「ふーん、本当に何であたしじゃなかったのかしら…」




『まあまあ、園子には真さんがいるじゃん？』




「それとこれとは別よ！」




あっそうですか……。

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