大橋くん ページ44
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A「あ、ごめんなさい。」
大橋「ぅわあ！すみません！！」
A「あれ？」
大橋「あ〜！！！Aちゃんやん！！！」
前回も会ったけど少クラでは大橋くんとの遭遇率が高い。
今日も元気な大声で名前を呼ばれる。
大橋「え！？何かありました？なんか顔色良くないですよ！」
A「そうかな？」
大橋「そう！俺で良かったら話聞きますよ！！」
A「大橋くん時間は？」
大橋「大丈夫です！！」
近くにあった休憩スペースのソファに腰かけ話しだす。
大橋くんっていつもニコニコしてて悩みも簡単に吹き飛ばしてくれそうで、つい階段のことを言ってしまった。
年下に何言ってんだろう。と思いつつも話している内に心が軽くなっていくのを感じる。
大橋「俺もめっちゃこけますよ！こけまくりですもん！」
A「なんか想像つく。あ、笑ってごめんね。」
大橋「いや！もう笑顔になってくれたらそれで嬉しいです！」
A「大橋くんは優しいね。」
大橋「俺が優しいのは、その、」
目黒「A！！」
大橋くんが何かを言いかけたところで後ろからめめの声が聞こえた。
慌てた様子で私の名前を呼ぶのでビックリして立ち上がり、めめに駆け寄る。
A「え？どうしたの？」
目黒「いなくなるからずっと探してたんだけど！」
眉間にシワを寄せて口調を荒げるめめに驚く。
A「ごめん。」
目黒「…別に良い。」
そう言って歩き出してしまったので、大橋くんに「ごめん。またね。」と言ってめめの後を追った。
A「めめ、ごめんね。本番前なのに勝手にいなくなって心配したよね。」
目黒「…。」
投げかけても何も返ってこないことに軽くヘコむ。
A「ねぇめめ、ごめんね。探してくれてありがとう。」
目黒「…。」
それでも言葉は返ってこないので私も黙る。
沈黙の中、楽屋が見えてきた。
佐久間「あ！Aいた！もうどこ行ってたの！」
楽屋に入る前に中からさっくんが出てきて声をかけてくれる。
A「…勝手にいなくなって本当にごめんなさい。」
佐久間「えぇっ！？なんでそんな落ち込んでるの！？あ、ちょっ！蓮！？」
めめは私とさっくんを残し楽屋へと入って行った。
佐久間「んえ？なんかあったの？」
A「私が勝手にいなくなったから…。」
佐久間「えぇ？それであんな怒る？？」
A「…わかんない。」
私は落ち込みながら楽屋へと入った。
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
