優しい涙 ページ39
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向井「照兄さっきまで一緒におったよな？」
ラウ「もつもつく〜ん？」
康二とラウが扉の方へと歩いていく。
照が来る。
そう思うと体が勝手にこわばった。
深澤「大丈夫だよ。」
そう静かに話しかけてくれるふっかさん。
周りのみんなも「うん。」と言うような優しい目で見てくれる。
奥の舘様だけが「？」の顔してるけど。
ラウ「連れて来たよ〜！」
ラウに腕を掴まれやって来た照は目線を合わしてくれない。
少し気まずい雰囲気が流れた後にふっかさんが話し出した。
深澤「よし、俺らは撤収！」
向井「え！？なんで！？」
目黒「ほら、康二行くよ。」
ラウ「え？なんで？」
阿部「ラウも行きますよ〜。」
A「え、待って。」
みんなが部屋から出て行ってしまう。
そう思うと小さな制止の声が出てしまった。
それを聞いていた翔太が優しく微笑む。
渡辺「廊下にいるから、なんかあったら言えよ。」
A「…うん。」
そう言ってみんな照の横を通りすぎてく。
さっくんは照の肩をポンと叩いて通り過ぎる。
舘様は最後まで「？」の顔で出て行った。
二人きりの部屋で気まずい空気が流れる。
その空気を破ったのは私。
A「照、ここ座って。」
先ほどまで翔太が座っていた椅子を指すと座ってくれた。
A「照、あのね、」
岩本「ごめん！！！」
A「え！え、あ、頭上げて！」
勢いよく立ち上がり深々と頭を下げる照。
頭を上げてと言っても上がらないので私はベッドから起き上がろうとした。
しかし急に動いたせいか頭がクラクラした。
岩本「危ない！」
後ろに倒れ込みそうになった体を照が支えてくれる。
A「…やっと照の顔見れた。」
岩本「A…。」
泣きそうなその顔に優しく笑いかける。
支えてくれている手からは少しの震えを感じる。
その顔や様子から後悔が見え隠れしている。
岩本「昨日はごめん。あんなことして、怖かったよね。」
A「…いきなりでびっくりした。」
岩本「うん。…今日も避けるような態度取ってごめん。」
A「私も一緒だよ。照のこと避けてた。」
優しく頭をなでるとポロポロと優しい涙が落ちていった。
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
