雑誌撮影（1） ページ31
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A「え、ほんとに私？」
ラウ「うん！」
とある雑誌でラウールの特集ページを組むことになった。
その時、スタッフさんから「デートシーンを撮りたいから相手役を起用していいか。」とマネージャーさんに連絡があったらしい。
それを隣で聞いていたラウールが「AちゃんならOK！」と承諾したらしい。
いや、待ってほしい。
ラウールはまだ未成年。
その隣に約10個上の私が並んでいいのだろうか。
絶対別に相応しい人がいるはず。
ラウ「あ、その顔！断ろうとしてるでしょ！」
A「…ばれた？」
ラウ「Aちゃんのことは何でもわかるから！！」
自信満々に言う末っ子はほんと可愛い。
可愛いんだけど、やっぱり今回は私じゃないと思う。
ラウ「もしかして歳の差気にしてるでしょ？」
A「ばれた。」
ラウ「大丈夫！Aちゃん、めめより年上かどうかわかんない時あるから！」
今のってディス？そう思ったけどスルーしとこう。
ラウ「Aちゃんが相手じゃなかったら仕事受けない〜！！」
阿部「こら、せっかく貰ったお仕事をそんな風に言わないの。」
A「あ、阿部ちゃんおはよう。」
阿部ちゃんの正論に「だって〜。」と口を尖らすラウ。
阿部ちゃんは椅子に座ると今度は私に問いかけて来た。
阿部「Aは仕事受けるの？どうなの？」
A「阿部ちゃんどこから聞いてたの？」
正直ラウールの高音で阿部ちゃんが入って来たの気づかなかった。
でもこの様子は瞬時に全てを理解してくれたんだろうな。
さすが阿部ちゃんです。
A「ん〜、ラウのお願いごとだし、マネージャーさんにスケジュール確認してみるね。」
ラウ「そこは心配しなくて大丈夫！空いてるの確認したし、何ならもう押さえてるから！」
阿部「さすがラウール。」
ほんと末っ子恐ろしい。
撮影当日、スタジオに入り着替えを行う。
ラウールとは入り時間が別だったのでまだ会えていない。
着替えを終えてスタッフさんに案内された場所はまるでカフェのようなセットが組まれた部屋。
ラウールは衣装チェンジ中らしく、私は先に椅子に座って待っていた。
ラウ「わっ！」
A「うわ！」
後ろから急に抱きしめられて驚く。
抱きしめて来たのはもちろんラウール。
周りにスタッフさんもいっぱいいるので「もう。」と軽く言う。
本人は「えへへ〜。」と嬉しそうに笑っていた。
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作者名：迷子のフクロウ | 作成日時：2022年12月17日 20時
