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「馬鹿だよ、俺は。よく分かってんじゃん」
本格的に泣き出した佐久間と、阿部ちゃんを
2人まとめて抱きしめて、ふっかは笑った。
誰かが泣くなら、自分は笑う、そんなやつ。
しばらくして、ふっかと照を残し、俺達は動き始めた。
佐久間と阿部ちゃんはラウールの通院する病院に。
俺と涼太は地元の知り合いやら、ツテをたどって
色んな人に声を掛けるも収穫なし。
めめも康二も、落ち込んで帰ってきた。
まあ初日やし！と言う康二の声は酷く震えてた。
元気印の佐久間も、あのやりとりが頭をよぎるのか
そうだな、とぼやけた返事しかしなかった。
そして、ふっかはその夜、夕食には来なかった。
1人でトイレに行くこともままならないくらい
吐いて、大変だったらしい。
あまりの苦しそうな感じに、照が本気で
救急車を呼ぼうとしていたのを落ち着けと止めた。
頼りになるのかならないのか分からない照は
回収して、代わりに阿部ちゃんを送り込んだ。
同期なら気兼ねなんてないだろうし、
オロオロされるより冷静な阿部ちゃんが適任だろう。
熱は上がり切るところまで上がって39℃台も
出たらしいが、夜明け前には下がったらしい。
「寝らんないの？」
「悪ぃ、うるさかった？」
「いや、全然。たまたま目が覚めた」
俺はというと涼太の部屋に泊まりに来た。
なんだか、1人で部屋に帰るのも無理で
なんとなく涼太の部屋に。
行っていい？の返事に、良い入浴剤入れとくねと。
本当に良い匂いのする湯船につかり、
ふわふわのタオルで身体を拭いて。
ちゃんと服まであって、至れり尽くせりだった。
「イチバンボシ」
「めちゃくちゃ聞こえてんじゃん」
「あの時のこと、思い出してた」
「…俺も、そう、思い出してた。んで、つい。
俺、あん時さ、めちゃくちゃ頑張ったんだよ。
慰め方とか分かんないし、大丈夫だとか
頑張れだとか、そんなんしか言うこと思い付かなくて」
リズムを刻み、間違えたら3回叩く。
それをずっと繰り返した。
何回も何回も、こうだああだとアドバイスし、
泣きそうになるのを泣きやめと叱咤し、
上手くいったフレーズがあれば頭を撫でた。
「でも、俺にない、沢山のもの持ってんのに、
歌はって俺に頼ってきてくれたことも。
俺が1番頑張れることで、あいつの力になれたことも。
めちゃくちゃ嬉しかったし、幸せだったんだ」
雑音や歪みの中で必死に歌おうとしてる
ラウールの力になれたことが、嬉しかった。
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みさ(プロフ) - ともみさん» はじめまして、コメントありがとうございます！朝から泣いた、というコメントがとても嬉しいです…！お話が進むスピードも、更新もゆっくりではありますが、これからもよろしくお願いします！ (2022年10月31日 17時) (
レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ともみ(プロフ) - はじめまして。お話！楽しみに読ませて頂いてます。ほんと、泣きました。苦しい状況だけど、皆で支えあって、皆で諦めなくて、朝から泣きました。ありがとうございます。これからも楽しみにしています。 (2022年10月31日 8時) (レス) @page24 id: b5302d2fbf (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ぴょょさん» コメントありがとうございます。少し焦れったい方がドキドキするかな、と書き方を工夫しているので、そう言ってくださってとても嬉しいです！本当に寒くなってきましたね…ぴょょさんも、風邪をひかないように暖かくして、これからも楽しんでくださると嬉しいです。 (2022年10月25日 16時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - Mさん» コメントありがとうございます。一気読み！少し長めですが、それだけ夢中になってくださったことがとても嬉しいです、ありがとうございます！止まってしまったり、描き始めたり、ムラもありますが大切に続けていきますので、よろしくお願いします。 (2022年10月25日 16時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょょ(プロフ) - いつもどきどきしながら読ませていただいています！展開が…！緊張しますが楽しみにしています！寒くなってきたのでお体ご自愛ください！ (2022年10月24日 23時) (レス) @page14 id: d8e70a51b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みさ | 作成日時：2022年10月6日 19時
