それでも明日は ＊4＊

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いってらっしゃい。
昨日より、また少し笑顔で見送った。

立ち止まる康二には、目黒と手を繋がせて
2人まとめて背中を押した。

小さなため息をついた阿部には、
佐久間に大きく息を吸ってもらって
幸せ逃げるぞって笑ってやった。

珍しくイヤホンで音楽を聴いて、
フードを被って静かなふっかには、
照もまとめてハグしてやった。
大丈夫、ここにいるぞって伝わるように。

そしたら、康二と佐久間が飛んできて
目黒が阿部を引き連れてきて、
翔太は自分から加わって
大きな男8人がぎゅうぎゅうと抱き合った。


そうして昨日よりまた少し笑顔で出ていった6人。

俺らも頑張りますかって、
見慣れない地図を引っ張り出して
阿部や康二がまとめてくれた行ったところに
色を塗っていく作業に取り掛かる。

6人が一斉に動くとやっぱり早い。
あっという間に1ページ埋まっていく。


10分に1度、ラジオのツマミが回される。

関西のJrや、関ジャニ、WESTの人達が
それぞれ番組を持ってくれて
こっちにいる人達に向けてメッセージをくれる。

こんな時に？


いや、こんな時だから。



「ふは、元気だなぁ」



スマホの電波はやっと繋がった。
みんなもきっと、聞いてるかな。
聞いてるといいな、少し元気が出るから。


既読は、まだ7。

みんな何回かメッセージを送るんだけど
ずっと既読は7のまま。

スマホ、無くしちゃったかな、壊れたかな。
新しいの買いに行かなきゃね。
カバーお揃いにする？
前にいいねって言ってたもんね。



「涼太、今日唐揚げにする？」

「知ってる？昨日は油淋鶏だったんだよ」

「知ってる、その前は酢豚だった」

「若くないんだから、そろそろ胃もたれするよ」

「若ぇもん」



1番食べないの翔太だからね。
早く帰ってこないと、みんな太るし胃もたれするし。
あんまり遅いと、みんなお腹重くて踊れないかもよ。



「カセットコンロで揚げ物が出来るって
新発見したよ、本当に。
もう俺どこでだって料理できそう」

「んは、良かったじゃん」



思い馳せるはラウール。
多分みんな同じことを考えてる。

どうか、彼が優しい世界で生きていますように、と。






そして、4日目の夜。

今日もダメだったと落ち込んで帰ってきた康二達。
あと4人遅いね、だなんて話していると
俺のスマホに着信。

照だった。

何も考えずに出ると、近くでふっかの泣き声。
照も泣いていて、言葉が詰まってる。



そこで思い出した。

ふっか達が探している場所を。

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