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「いや？してる」
「でもこれ、目黒の時計だよなぁ」
「そいや、ラウも同じの買ったんだよね？」
「え？いつの間に？」
ラウールの腕にも同じもの。
そして、目黒の腕にも、テーブルの上にも。
「これ結構奮発して買ったんだけどな…」
「うん、めめの時計がすっごくかっこよかったから！
ほら、ここの住人も一目惚れして買ったんだよ！」
「あれ…俺のも、お前のも、これも、
全部違う時間になってないか？」
そして、それぞれ別の時を刻んでいた。
「んー、狂っちゃったのかな。
ほらほら、散策しよーよ！早く見つけよ？」
ラウールがクローゼットを開け始めたのを
きっかけに、俺達も各々探し始める。
それ程大きくない部屋の、引き出しや、絵画の裏、
ベッドの下や、椅子の裏側、部屋の本当に隅々まで
探索するも、鍵らしきものは見当たらない。
「ここにはないんかなぁ」
「こっちはない、そっちは？」
「なさそう」
残念ながら俺も手掛かりなし。
「次の部屋行こ？
まだ空いてる部屋あった気がするし！」
「ん、そうしようか」
次、と動き始めたラウールについて行こうとすると、
服が引っ張られた。
後ろを振り向くと、青い顔した佐久間の手には、
さっき話題になった目黒の時計だった。
「どうしたの、佐久間」
「これ、あっちに、あった」
指さすのはクローゼットの隅。
そんな馬鹿なとテーブルを見ると、そこにも時計。
焦って目黒を見ると、そこにも時計。
同じ時計が4つもなんて、気味が悪い。
とてもじゃないけど偶然とは思えない。
「は？なにそれ、なんであんの」
「いや、俺も知らないよ、
クローゼットの中、ラウと見てたら、あって、
でも、なんか言い出しにくくて」
「気味悪いって」
「あっ、ちょっ、」
テーブルに置こうと引っ張った翔太と、
雑に扱うのはダメだという佐久間の手から
腕時計が落ちていった。
「壊れたら、どーすんのさ、
こんな高い時計俺買えないからな！」
＿＿＿ ｶﾁﾝｯ…
佐久間が時計に触れたとき、
また時間が進み始めた、音がした。
『ほんとなんだっ…！信じてよ！！！』
泣きそうなラウールの声と共に。
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みさ(プロフ) - ぴぴろんさん» コメントありがとうございます！50ページほどあるのを一気なんて…！嬉しいです！他の作品まで！？本当にありがとうございます！ゆっくりにはなってしまいますが、頑張りますのでこれからもどうぞよろしくお願いします！ (11月16日 9時) (
レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぴろん - すごく引き込まれるお話で、一気に最後まで読んじゃいました！！他の作品も全て読ませていただきました！これからも楽しみにしています！！！ (11月15日 21時) (レス) @page50 id: f81a8e6519 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - ちいさん» コメントありがとうございます！なかなか更新が滞っていて進まないお話ではあるのですが、楽しみにしていると言ってくださって嬉しいです！これからも頑張りますので、ゆっくりのんびりと待っていただけると嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (11月14日 2時) (レス) @page7 id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めまして。ラウールくんのこういうお話って中々ないので、書いてくださって嬉しいです。お話の内容も凄く引き込まれました！これからも楽しみにしています＾＾ (11月13日 20時) (レス) @page50 id: 55bf2eb683 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - あいはねさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいし、幸せの限りです。同時並行なんか無茶か…とも思いましたが、どれも大切な白さんなので、少しづつ大切に書いていきます。長らくお待たせしていますが、これからもよろしくお願いします。 (2022年9月24日 19時) (レス) id: 1fb25e0756 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みさ | 作成日時：2022年8月10日 1時
