第549話 真っ黒の時間 ページ10
Aside
カエデはずっと後悔してた。
自分のせいで皆が真実を知ってしまった事、クラスの楽しい時間を奪ってしまった事に。
でも、だからって…
これじゃまるで…
カエデは元・触手持ちという事もあり、そのずば抜けた動体視力で死神の攻撃をかわしつつ、カウンターでナイフを当てる事に成功した。
けど…
私も、皆も…そしてカエデ自身もわかっていたはずだ。
殺せんせーですら敵わない強敵に人間がたった1人で、しかも真っ向から立ち向かえば……
『……カエデッ‼』
カエデの身体は死神に胸部を勢いよく貫かれ、大きな穴があいてしまったその身体は…真っ逆さまに地面へと落ちた。
高らかに響く柳沢の笑い声。
怒り、絶望、恐怖。
様々な感情が私の中で激しく混ざり合い、濁流となって全身を駆け巡る。
ボロボロに傷ついた身体を引きずりながらカエデに近づいていく殺せんせー。
哀愁漂う大きな背中からは…今は常軌を逸した怒りが炎のように燃え上がり、殺せんせーの全身を包んでいる。
皮膚は真っ黒。
これはもう…ド怒りなんてもんじゃない。
柳沢「大いに満足だ。そして…おまえの渾身のド怒りも、真の力を出す"二代目"によって否定される」
最後の攻撃。
柳沢はそう言って死神に注射を打ち込んだ。
その瞬間、死神の全身から凄まじいエネルギーが放出され、私達はその風圧に為す術もなく、ただ身を守るようにして必死に踏ん張っていると…
渚「ここを離れよう」
カエデを抱きかかえた渚くんが、私達にそう呼びかけた。
速水「渚…」
渚「僕等から注意が逸れているうちに! ここにいたら、確実に巻き添えだ!」
奥田「で、でも…」
まだ少し倦怠感の残っている身体で必死に腕を伸ばし、カルマのすぐ近くにいた奥田さんの腕を掴む。
業「逃げるのだって、俺達の立派な戦術だよ」
『…だから、早く…』
奥田「…はい!」
凛香に奥田さんを託した私は、カルマに支えられながら駆け足で校庭から離れた。
『…渚くん、こっち!』
杉野「急げ渚!」
渚「うん!」
校舎の前まで避難してきた私達は、不安を抱えながらもそこで最後の闘いを見届ける事にした。
…というより、そうするほかなかった。
業「…A」
突然カルマが私の手を取り、強く握る。
業「何があっても、俺はAから離れないから」
真っ直ぐ前を向いたまま、カルマは低く静かな声でそう言った。
だから………
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みあ(プロフ) - 中二半さん» 何はともあれ、こんな所に来てくれてありがとう! 今エブリスタでイベント投稿用にオリジナル作品を作っててね、そっちでいっぱいいっぱいだからこっちをお休みさせてもらってて… でも向こうが終わったらまた再開するから、そしたらまた見に来てほしいです! (2018年10月29日 23時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - 中二半さん» え!?カルマくん!?えっ、ちょっ…なぜカルマくんがここに!? あ、えっとですね…Rは18オーバーの姉者がいるので、姉者のiPhoneで見ております。カルマくんの未来がわかるのは…うん、まぁ…そこはあれだね。企業秘密ってやつだね。笑 (2018年10月29日 23時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
中二半 - ヤッホー、みあ、シャロ。朝比奈の彼氏カルマだよ。ゴメンね〜連載短くて。次頑張る。で、俺メインのヤツもっと書いてもらえると嬉しいな〜…Rもなかなかいい感じじゃん、つかなんで俺の未来分かんの?あと3ヶ月で結婚なんだけど。Rんとことかどっから見てたの? (2018年10月28日 20時) (レス) id: a565ea5cde (このIDを非表示/違反報告)
みあ(プロフ) - シャロさん» ただいま〜! 暗殺教室、もといカルマくんは最高の癒しだよね〜。あの笑顔に何度救われたことか… 今も想像しただけで気持ち悪いくらいニヤけちゃうよ(笑) (2018年7月14日 14時) (レス) id: 84281e05bb (このIDを非表示/違反報告)
シャロ(プロフ) - おかえりなさい!!本当だよね!また、暗殺教室やって欲しい!暗殺教室は僕の癒しだし!!(笑) (2018年7月9日 1時) (レス) id: 1472190f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みあ | 作成日時:2017年6月24日 0時