【赤羽業】赤髪くんの味方をしたら、E組に落とされた。12

第574話 未来の時間 ページ35

カルマside



業「へぇ…ここが俺の新しい財布かぁ」


あの出会いから7年。


椚ヶ丘高校を卒業後、東大文一から法学部に進学して、国家公務員総合職試験に合格した俺は今、官庁訪問で経済産業省に来ている。


まさか同窓会と日程がかぶるとはねぇ…


近いうちにまたどっかで飲み会でも開かなきゃ。


去年の誕生日に貰ったばかりの腕時計で時間を確認して、ふと空を見上げる。





Aは今頃……









皆とあの校舎の"手入れ"中、かな。









磯貝side



前原「あと1分か…」


今日の同窓会の参加者で、まだ来ていないのは…


不破「遅いね、Aちゃん」


矢田「ここに来る途中で何かあったのかな？」


岡島「まさか、誘か…いってェ〜‼」


片岡「不安を煽るようなこと言わないの。けど、本当に何かあったのかしら？」


待ち合わせの時刻が迫っている中、1人姿を現さないAに皆が心配の声をあげていた。


そんな中…


速水「心配しなくても大丈夫。だってAは昔から…」


時計の秒針が"12"を指す直前だった。


『…ごめん、皆。遅くなって…』


磯貝「A‼」


全力とはいかないまでも、Aは待ち合わせ場所に走ってやって来た。


速水「時間ぴったり。相変わらずね」


互いに顔を見合わせて、クスッと笑うAと速水。


なんか…懐かしいな、この光景。


磯貝「これで全員揃ったな」


前原「っしゃ！ んじゃ、早速行こうぜ！」


磯貝・前原「「 俺等の学び舎へ！ 」」









Aside



悠馬、岡島くん、メグ、木村くん、千葉くん、凛香、寿美鈴、優月、前原くん、三村くん、桃花。


そして…私。


中学を卒業してからもう何年も経つのに、これだけの人数が集まるなんて…


昔話に花を咲かせながら、皆と一緒に懐かしい山道を登っていく。


もうすぐ、もうすぐ…


高なる鼓動に合わせて速くなっていく歩み。


別に校舎が逃げるわけじゃあるまいし、何も急ぐ必要なんてないんだけどね。





矢田「着いた…！」


かつて先生と過ごした、山の上の学び舎。


それは今も変わらずそこにあって…きっと、先生も…


速水「ねぇ、あれ…」


何かを発見した凛香が教室の辺りを指でさす。





……あ。あの黒髪は＿＿＿





前原「よう、朝ドラ女優！」


茅野「……皆！」


花壇の前で1人手を合わせていたと思われるカエデは、前原くんに声をかけられて私達の方に振り返った。









『久しぶりだね、カエデ』

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