【赤羽業】赤髪くんの味方をしたら、E組に落とされた。12

第565話 卒業式の時間 ページ26

Aside



私立椚ヶ丘中学校、卒業式。


司会「赤羽業」


業「はい！」


カルマが名前を呼ばれ、ステージに登壇する。


次は私か…


いつも思うけど、名簿順だと順番が回ってくるのが早すぎて…心の準備が間に合わない。


司会「朝比奈A」


『…はい！』


お腹から声を出して返事をし、私もステージに登壇する。


理事長「随分と雰囲気が変わったね。あの教室で1年過ごしたおかげかな」


『…はい。理事長先生には感謝しています。私のE組行きを認めて下さって、本当にありがとうございました』


差し出された卒業証書を受け取り、しっかりと礼をする。


その瞬間、私は実感してしまった。


あぁ…


これで本当に…終わりなんだな、って。









速水「A」


『…ん？ えっ、ちょっ…』


卒業式が終わってすぐ、私は凛香に手を引かれてある所に連れて行かれた。


速水(母)「初めまして、Aちゃん」


『…は、初めまして…』


速水(父)「凛香がいつも世話になってるみたいだね。ありがとう。うちの子と仲良くしてくれて」


『…あ、いえ…こちらこそ…ありがとうございます』


え、何これ。


なんで凛香のご両親がここに？


2人とも今日は仕事で来れないって、前に凛香そう言ってなかったっけ？


これ以上どうしていいかわからず、助けを求めて凛香の方に視線を移すと…凛香は少し照れくさそうな顔で笑っていた。


凛香の家にはこれまで何度か遊びに行った事があるけど、ご両親はいつも仕事で家を留守にしていたから一度も会った事がない。


そんなご両親とまさかこんな所で会う事になるなんて…


速水(母)「さぁ、2人ともここに並んで」


凛香のお母さんに手招きされた凛香と私が言われるがままに横一列に並ぶと、今度はお父さんが首からさげていたデジカメで私達を撮り始めた。


『…え？ 凛香、私どうしたら…』


速水「笑って」


にこやかに微笑みながらそう言う凛香を見て、私も自然と笑みがこぼれた。





速水「…ずっと会わせたかったの」


何枚か撮った写真を確認しながら、凛香はそう呟いた。


『…私を？ どうして？』


速水「Aは私の初めての親友だから。…って、今さらこんな恥ずかしいこと言わせないでよ///」


『…え。なんかごめん』


言わせたつもりはないんだけどな…


速水「たまには…」


『…ん？』


速水「たまには、Aからも連絡してきてよね///」


凛香…！









『…うん、わかった。約束する』

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