【赤羽業】赤髪くんの味方をしたら、E組に落とされた。12

第552話 蘇生の時間 ページ13

磯貝side



茅野と同じAB型のカルマとイトナが腕を差し出し、殺せんせーがそこから2人の血液を触手で採取する。


殺「中村さん！ さっきのバースデーケーキを拾ってきて、先生の口に！」


中村「はァ⁉ 土まみれでグッチャグチャの生ごみだけど」


殺「エネルギーの補充が必要なんです！ 戦闘中もずっと食べたかったし！ あー、もう！ 30分ルールです！」


中村「3秒でしょ‼」


中村が慌てて拾い集めた、どこからどう見ても生ごみ同然のバースデーケーキ。


それを殺せんせーは幸せそうな顔でうまいうまいと言いながらどんどん口の中に放り込み、一方で細い触手も1秒たりとも休む事なく茅野の手術を進めていく。





糸は一切使わず、痕ひとつ残さず、傷口がふさがっていく…





手術を終えた殺せんせーは、茅野を地面に寝かせ、ふうっと大きく息を吐いた。


殺「あとは心臓が動けば蘇生します。"生徒が学校でどてっ腹をぶち抜かれた時の対処"マニュアル通り、完璧なはずです」


杉野・前原・岡島「「 そんな大惨事フツー想定してねーよ‼ 」」


いつの間にそんな物を…


ていうかそのマニュアル本、今どこから出したんだ？


殺「…今だから言いますが、たとえ君達の体がバラバラにされても、蘇生できるように備えていました」


先生がその場にいさえすれば。


殺せんせーはそう言って、茅野の小さな体に触手で電気ショックを与えた。


それからわずか数秒後。


茅野は……









茅野「…また…助けてもらっちゃった」









息を吹き返した茅野を見た皆の反応は様々だったけど、その多くは涙を流しながら茅野の元に駆け寄り、最終的に茅野はそいつらに胴上げをされていた。


渚「…茅野、助かって良かった…」


茅野「渚っ…くしゅっ。寒…って、うわぁ⁉ 私なんて格好⁉」


その言葉に渚をはじめ、男子が揃ってふいっと視線を逸らしていく中、イトナだけが茅野の真正面にしゃがみ込み、無言で茅野の胸元をじっと見つめる。


茅野「な、何…？」


イトナ「かわいそう」


茅野「何が⁉」


前原「いーじゃねーか。殺せんせー、髪まで結ってくれたんだぜ」


前原が上着を脱いでそっと茅野の肩にかけ、茅野をなだめる。


茅野「ありがとう。服から直して欲しかったよ…」


岡島「いやいや、あの手厚い殺せんせーの治療だ。ちょっと位 巨乳になってるかもしれねーぞ」


矢田「そーなの、殺せんせー？」









渚「…殺せんせー？ どうしたの…？」

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