性悪王女に転生したらなぜか逆ハー状態になったんだが！？

＊15話　もふもふ＊ ページ15

「ぼ、僕は…デュ、デュース・スペードだ。…よろしく」



デュースはやっぱり女子に免疫はないらしく、顔を真っ赤にしながら言った。



ピュアな元ヤンとか可愛すぎでしょ…。



「僕はユウ。よろしく、A」



「あなたは異世界から来た人ね。それで、そっちの子は…」



「オレ様はグリム様なんだゾ！」



「…ちょっと失礼」



「な、何するんだゾ！！」



前足を上げるグリムの体を両手でがっちり掴み、引き寄せて頬擦りをする。



ずっと…ずっとこうしたかったの…！



思った通りグリムの体はもっふもふで温かくて、お日様の匂いがする。



可愛い…とっても可愛いわ…。



「なんか…捕食してるみてぇ」



エースがクスクスと笑う。グリムは暴れているが、私は構わず体を撫で回す。



「ユウ。私はあなたがとっても羨ましいですわ。これから毎日グリムにこうできるんですもの！」



「いやいやいや。僕はそんなことしないよ。…多分」



「ユウ！多分ってなんだゾ！それより、オレ様を助けろ！」



「しょうがないなぁ。グリムを離してくれる？」



「わかりましたわ。また明日、もふもふすることにしますわ」



力を緩めると、グリムはするりと手から抜け出ていった。



「食われるかと思ったんだゾ…」



「あら、私はモンスターを食べる趣味はありませんわ。まぁ…逃げられれば追いかけて噛みつきたくなるけれど」



そう言って笑えば、グリムはユウの後ろに隠れた。



「お、おっかねぇんだゾ…」



冗談のつもりだったんだけど…私が言ったら冗談に聞こえないか。顔が怖いのに加え、ライオンの獣人ですものね。

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