*9話* ページ10
完全にパニック状態だった。
だから、前から人が来ているのに気付かなくて…
ドンッとぶつかった。
「ご、ごめん…なさっ…」
涙が出て、上手く謝れない。
「大丈夫か?体が透けているが…」
「わ、わか…らない…このまま消えちゃったら…どうしよう…っ」
とめどなく溢れる涙を袖で拭う。どんどん透けていくのがわかる。泡もたくさん出ていた。
「…ふむ。とりあえずリリアに聞いてみるか」
いやに冷静なその人は、私の体を横抱きにする。
そして、気付いた時には談話室にいた。
「A!?」
リリア先輩が近寄ってくる。
ここまで連れてきてくれたその人は、私を下ろしてくれた。
リリア先輩にぎゅっと抱きしめられる。
「大丈夫。大丈夫じゃ」
「消えたく…ないよぅ…」
嗚咽が漏れる。優しい手つきで、リリア先輩は頭を撫でてくれる。
「…これは厄介な呪いじゃな…」
リリア先輩が小さく呟く。
「もう大丈夫じゃ。ほれ」
リリア先輩は私から離れる。自分の体を見てみると、透明だった体は、徐々に元へと戻っていった。
彼は手袋を取ると、親指の腹で涙を拭ってくれた。
「…ありがとうございます」
急に、子どもみたいに泣いてしまったことが恥ずかしくなってくる。
少し俯いていると、
「A!大丈夫ですか!?」
アズール達が来てくれた。
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晴 - 面白かったです。更新待ってます! (1月23日 22時) (レス) @page16 id: a1e8b21e58 (このIDを非表示/違反報告)
Rin(プロフ) - 続きが楽しみです 更新頑張って下さい‼︎ (2023年3月16日 18時) (レス) id: a3128229fd (このIDを非表示/違反報告)
あぽろ - リリア可愛い…続き待ってます((‘д’o≡o’д’)) (2020年8月2日 9時) (レス) id: a236361d3f (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 由瑞さん» ありがとうございます、そう言っていただけて良かったです(^^) はい、頑張ります!! (2020年7月23日 19時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 凄く面白かったです。更新頑張ってください! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ami☆ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/ami22665020?p=s
作成日時:2020年7月15日 16時