*1話* ページ2
あぁ、どうしてこんなことになってしまったんだろう…。
「A…」
頭に紫色のドロドロとした液体を被り、甘い匂いを漂わせながら、マレウス先輩は跪き私の手を取った。
「僕と結婚してくれないか?」
ちゅっと手の甲にキスをすれば、青ざめる私を他所に、今にも蕩けてしまいそうなほどの笑みを浮かべた。
「おい…あのマレウス・ドラコニアがAに求婚してるぞ…!」
「ど、どういうことなんだ…!?」
ザワザワとした声を遠くに聞きながら、私はまるで逃げるかのように事の経緯を思い出した__
私には、好きな人がいる。
彼の名は、ジェイド・リーチ。
すらっとした高身長で、顔がとても良い。国宝級に良い。それに、声も良い。耳元で囁かれたら失神する。寮服も制服も似合いすぎてやばい、全人類が彼に惚れる。
少し…いや、結構腹黒いが、そこもまた素敵である。敬語で腹黒とか最高すぎない??
困ったような顔をして本当は全く困っていないところとか、笑うと見えるギザギザの歯とか、なんでもスマートにこなせるのに飛行術は苦手なところとか…
好きなところを挙げればキリがない。
特に好きなのは、キノコに向ける笑顔。
曇りのないあの笑顔を、私は向けられたかった。
というか、キノコになりたい。キノコになってジェイドくんに食べられたい。
…とまぁ、そんな変態的願望は置いておいて…
彼は私の初恋だった。
"初恋は叶わない"
昔からそう言うし、ジェイドくんに好かれる自信もなかったから…彼に絶対に好かれるように惚れ薬を作ることにした。
液体が肌に触れるだけで効果を発揮し、その効果は半永久的に続く。
そんな惚れ薬を、1年かけて作った。
そうしてできたのが、『Aちゃん特製素晴らしすぎる惚れ薬』だった。
これの開発に力を入れすぎて、赤点取りそうになったことが何回もある。リドルくんにもめっちゃ怒られた。真っ赤になって怒ってて可愛かった。
そんな苦労をしながらやっと…やっとできた、のに…
どうして…どうしてマレウス先輩にかかっちゃったのよぉ!!!
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kouboukun(プロフ) - 反対者がいれば、捻り潰そう。これ見たとき思った事(おお〜強ぇぇぇぇぇ) (2020年7月19日 17時) (レス) id: 6b5d77f9d6 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - 愛さん» 丁寧に感想を書いてくださり、ありがとうございます…! めちゃくちゃ嬉しいです!実は結構不安で…こんな感じで良いのかな?と思うことも多いので、愛さんのコメントに勇気をもらいました…!読んでくださりありがとうございます、これからもよろしくお願いします! (2020年7月16日 21時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
愛 - コメント長々すいませんでした!
このままじゃキュン死にしそうだったので!!
私、完結まで生きてられるかなぁ(笑)
本当、素敵な作品をありがとうです!
更新、楽しみにしています!
後、ami☆さんの他作品も読んでみますね! (2020年7月16日 6時) (携帯から) (レス) id: 503913e7d3 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - アズールのウブさや(笑)ジェイドの場面めっちゃ夢主とリンクしてめちゃめちゃトキメキました!
マレウスの連絡来てたの切なくるし、リドルの気持ちを出せれない所とか!?
ヤバイです!
もう、キュン死にです!!
(2020年7月16日 6時) (携帯から) (レス) id: 503913e7d3 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ami☆さ〜ん!!更新されるたびキュンキュン度がヤバくて心臓いくつあっても足りないです!!
夢主になりたい!(笑)
ami☆さんの小説はキャラがキャラらしいというか、キャラの心情などの描写がすごく上手で凄いです!引き込まれます! (2020年7月16日 6時) (携帯から) (レス) id: 503913e7d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ami☆ | 作成日時:2020年7月8日 16時