13.別れ ページ15
「腸が…」
「長くはもたん…」
横たわってる洋平くんは息すらしてなく、杉元さんは腸が出てる状態。私が交代したせいで……こんな事に……私は頭が真っ白になり、その場で気を失った。
「……ん。」
「Aさん。起きましたか。」
ベッドの隣には月島さんが座っていた。
私は今医務室にいて、数日気を失っていたそうだ。
月島さんの話によると、杉元さんは生きて脱走したそうだ。だが洋平くんは……一安心と残酷さが交差し、今でもあの事を思い出すと吐き気がする。
「仕事はやっておくから、落ち着くまで休んでなさい。」
「はい。」
月島さんは気にするなと言いながら退室した。
「…鈴宮。」
「尾形上等兵!?」
隣のベッドには尾形上等兵が寝ていた。
「お前、不死身の杉元に会ったのか?」
「はい。」
「……そうか。」
……ん?それだけ?他に聞くことないのかな?
「鈴宮。人は必ず死ぬ。それに俺達は何人の人間を殺してる。だからお前も強くなれ。」
尾形上等兵が励ましてる?私のこと心配してるんだ。嬉しい。
「……鈴宮。俺がいなくても幸せになれよ。」
翌日。私は仕事を再開したが、杉元さんの事件があったせいか鶴見中尉と同行する事が増え、医務室に行くことがなくなった。
ある日、鶴見中尉は鰊御殿へ向かうとの事で私も同行した。
鰊御殿に到着し、少し休みなさいとの事で近くの食事処で休憩した。
すぐに鰊御殿に戻ると同行してた兵士が数名の兵士の死体を運んでるのを目にする。
「一体なにが……」
「不死身の杉元がいたんだ。」
隣には鶴見中尉がいた。
話によると、杉元さんの他にもう1人いて、中で警備してた兵士を刺しただとか。
杉元さんがここにいるということは、刺青人皮があるということなのかな。
「鶴見中尉殿」
1人の兵士が慌てて私達の元へ来た。
「尾形 百之助上等兵が医務室から消えました。」
……えっ?尾形上等兵がいなくなった?
嘘でしょ?どうして?
私達は急いで医務室へ向かった。
やっぱり尾形上等兵はいなく、ベッドの上には銃と置き手紙があった。
『鈴宮へ
ごめん。』
手紙は至って短文だが、手紙の横には三十年式歩兵銃が置いていた。尾形上等兵が使っていたものだ。
もう貴方に会えない、好きな人に会えない悲しみが込み上げて銃を抱きしめ泣いていた。
75人がお気に入り
「ゴールデンカムイ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいあい - え?甥じゃなくて姪なんですか?金カムのファンなら基本設定は守りましょうよ、現代ならまだしも戦時中の日本の陸軍に女なんて入れませんよ、てか女に軍入る資格なんてなかったですし軍の中に女性がいるのはせいぜい慰安婦的な役割ですよ。夢小説とはいえ勉強不足では? (2020年4月15日 8時) (レス) id: 863a870784 (このIDを非表示/違反報告)
コロッケ(プロフ) - ハクさん» コメントありがとうございます!続編もよろしくお願いします。 (2019年6月6日 22時) (レス) id: 544c4a412b (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - 続編決定おめでとうございます。これからも更新楽しみにしています! (2019年6月6日 20時) (レス) id: e68df6da4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:コロッケ | 作成日時:2019年5月12日 19時