太陽に触れてしまった 2【Ren.M】 (ページ9)

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目黒くんを無意識に遠ざけてしまって、今日の撮影はほとんど会話をせずに終わった。

でも、結局会うことになって、慌ただしく残り仕事を片付ける。

途中で目黒くんに『21時くらいには終わりそうだよ。』と連絡をすると、すぐに『わかった。車で行くから、会社の場所教えて。』と返信があった。

・

会社から少し離れた道路の脇に、目黒くんから教えてもらった目印の車を見つける。

暗くて運転席に乗っている人がよく見えないけど、私が近付くと軽く手を振ってくれた。

助手席のドアを開けると、ヘアセットしていなくて撮影の時よりラフな髪型の目黒くん。

「お疲れ」

「ん、お疲れさま。
遅くなってごめんねっ。」

「大丈夫。じゃ、行こっか。」

どこに行くんだろうと疑問は浮かんだけど、目黒くんに任せることにした。

「今、どこ行くんだろうって思ってるでしょ。」

思ってることを当てられて、びっくりする。

「Aさんと話したかっただけだから、その辺適当にドライブしてちゃんと送るよ。」

「うんっ、ありがとう。」

目黒くんが買っておいてくれたコーヒーを飲みながら、流れる景色をぼーっと見つめる。

ビルの灯りたちがなんだか綺麗で、ふと自分が悩んでたことなんて忘れそうになった。