太陽に触れてしまった 2【Ren.M】 (ページ5)

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自分のよく分からない気持ちをどうしたら良いか分からなくて、昨日はよく眠れなかった。

寝不足の怠い身体を引き摺ってなんとか撮影を終え、4人に挨拶をして別れ控室の片付けをしていると、渡辺くんが訪ねてきた。

私の不調に気付いている渡辺くんは、目黒くんのことで悩んでいることまで分かっているようだった。

でも、この気持ちを誰かに話したら、もう止められない気がして。

この前相談したのに勝手だけど、今は誰にも話したくなかった。

目黒くんのことで悩んでいると思われたくなくて、頑なにただの寝不足だと否定し、話を逸らすために部屋を出ようとする。

すると、急に腕を掴まれて、気付いたら渡辺くんの胸の中にいた。

「…っ、わた、なべくん？」

あまりに急すぎて、自分が何故抱きしめられているのか理解が追い付かない。

そして、何も答えてくれない渡辺くん。

離れようと胸を押してみるけど、それ以上の力で強く抱きしめられていて、離れられない。

「ねぇっ、どう、したの？」

「なんでっ、」

「えっ…？」

「なんで、佐藤を悩ますのは俺じゃねぇんだろ。」

腕の力が弱まったと思ったら、力弱くそう呟き、「ごめん」と一言言い残して、渡辺くんは部屋を出て行った。

渡辺くんに包まれた体温と、腕の感触だけが身体に残っていた。