太陽に触れてしまった 2【Ren.M】 (ページ29)

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それから暫く他愛も無い話をして、そろそろ家に着きそうな頃。

「そろそろ着きそう。」

『ん、そっか。』

「……大丈夫？」

決して弱音を吐かない蓮くん。

きっと、性格的に弱音を見せるのが苦手なんだと思う。

話して欲しいなとも思うけど、蓮くんが話したくないなら無理に聞くことはしたくない。

『ねぇ、舞台の千秋楽が無事に終わったら、なんかご褒美欲しい。』

弱ってるかと思ったら、急な子供じみたお願いに思わず笑ってしまう。

「ご褒美って、蓮くん小さい子供みたい。
じゃあ、舞台が終わったら、またラウールくんとか呼んでお疲れ様会しようか？」

『みんなでやってもいいけど、それとは別に二人でデートしよ。』

「えっ、でー…と、ね。うん。」

『どこ行きたいか、考えておいてね。
はー…、なんかAさんの声聞いたら眠くなってきたわ。』

「え、それどういう事！？褒めてる？」

『ふはっ、褒めてる褒めてる。
安心して眠くなってきたってこと。』

「ん…、ならいいけど。」

『デート、楽しみにしてるから。』

「…うん、私も。
じゃあ、明日も頑張ってね。」

『ん、ありがと。おやすみ。』

家に着いても、まだ蓮くんの低くて甘い声が耳に残って離れなかった。