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「ん〜！美味しい！」
「ね、美味いね。」
「シャンパンなんて久しぶりに飲んだよ。」
「Aさんってさ、どんくらい彼氏いないの？」
「えー、もう忘れた。1年半くらいかな。」
「そうなんだ。」
「聞いた割にはドライな返し…。」
「年下と付き合ったことある？」
「んー、年下はないなぁ。
同い年か1.2個上しかないかも。」
へー、と軽く流してシャンパンを飲み干している。
興味ないなら聞かなきゃいいのに、と内心不貞腐れる。
「聞いといてなんだけど、別に過去の彼氏とかどうでもいいわ。」
「なっ…、」
「年下と付き合ったことなくたって、これから好きになるかもしんないしね？」
そう言って私の方を向きながら、にやっと不敵に笑う目黒くん。
まるで、不貞腐れた私の気持ちに気付いているよう。
「……ねぇ、蓮くん。」
「…っ、え、？」
「私も、ちゃんと蓮くんのこと気になってるよ。」
私ばかり振り回されているのが少し悔しくて、名前で呼んでみると、案の定驚いている目黒くん。
多少、酔いに任せたところはあったけど、気になっているというのも、ちゃんと本当の気持ちだった。
「仲良くなったら、って言ってたでしょ？
…だから呼んでみた。」
「なに、それ。可愛すぎ。」
気付くと私の右手に目黒くんの綺麗な左手が重ねられ、あっという間に指を絡め取られる。
「気になってるっていうのも嬉しい。」
「ちょっ、…目黒くん」
「あれ？目黒くんに戻っちゃうの？」
手を繋ぐ力は一向に弱まらなくて、恥ずかしさと緊張でどうにかなりそう。
目黒くんはそんな私を見て、なんだかにやにやしているし。
「れ、蓮くんっ、」
「ん、よく出来ました。
これからはみんなの前でもそう呼んでね。」
繋がれていた手がようやく解かれて自由になる。
目黒くんに対抗してみたけど、全然敵うことはなくて、やっぱり私ばかりドキドキさせられていた。
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作者名：まりも | 作成日時：2021年2月22日 9時
