彼氏ができない理由は【呪術廻戦】

理由10、チョロくても彼氏はできない ページ22

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「付き合う？」

『付き合う！』




ナンパされて流れるように遊びに行って、もう解散するかって時にそう言われた。


食い入るように返事をしてしまったから、ちょっと引かれた。だけど自然に差し出される手を握り返した。




「Aちゃん寮に住んでるんだったら門限あるんでしょ？」

『うん、そろそろ帰ろうかな』

「このまま泊まって行かない？」

『泊まる！』




この会話だけ聞けば私はただのチョロい女だと思う。
そう思われてもいい、付き合ってその日にやる事やっても多分私は後悔しない。


硝子に電話をして代わりに外泊届を書いてもらった。



そして流れるようにホテルへと足を運んだ。

大丈夫、下着はいつだって割と綺麗。
こういうことあるかも…とスキンケアだって手を抜かない。




『やば……緊張する…』

「もしかして初めて？」




もしかしなくても初めてですとも。
だって彼氏いた事ないし。


もう流されてここまで来たんだし、流されていくしかない。




「え……」

『ん？』

「Aちゃんって普段何してるの？」




下着だけになった私を見て、眉間にシワを寄せた。




「いや、深い意味は無いけど傷だらけ過ぎてちょっと……」

『この間盛大に転んで、』

「こんな事になる？ごめん抱けないわ」




冷たく言い放たれた「帰ろ」という言葉。
雑に投げられた服に袖を通した。


転んだなんて嘘。呪霊の相手してたらこうなった。
大きな怪我は硝子が治してくれた。小さな傷なんて日が経てば治るけど、まだ治り切っていなかった。




『はぁ……クソじゃん』

「え」

『じゃあ私はタクシーで帰るから』




ホテルを出て少し歩いた先に停まっていたタクシーに乗り込む。


今日の男もハズレだったな〜
交換した連絡先もタクシーの中で着信拒否からの削除。




「あれ、泊まるんじゃなかったの？」

『硝子〜聞いてよ』

「今五条の部屋でゲームしてるけど来る？」

『行く』




コイツらには恥じらいも何もない。

あった事を全部話すと笑うこともせず、ただ慰めてくれた。




『体に傷作る女は脱いだらモテないって事だね』

「その傷は英雄の証だろ」

「Aの傷のおかげで守られてる命があるわけだからね」




やっぱりコイツらいい奴過ぎる。
だから友達やめられないってばよ。





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