Mirror.34 ページ34
・
『ヴィル寮長!こんな高いもの頂けません!!』
「あらどうして?」
『どうしてって……』
ドレスコード店を後にした俺はヴィル寮長が手渡してきたブティックを胸の前で抱えながら戸惑いを隠せずにいる
それもその筈だ。自分の買い物と称して俺にドレスコード一着サラリとプレゼントしてきたのだから
「カード払いだから問題無いわ」
『そう言う事では無く……ならせめて払わせて下さい。寮長からポケットマネーを出させるなんて矜持に反します』
俺の言い分に考え込む寮長。悩ましい姿も様になるな……って違う、今はそうじゃない
「……それ着てみてどうだった?」
寮長からの思わぬ質問にタイムラグが発生した後、結局質問の意図は分からないまま感じた事を素直に述べた
『__馴れない服装ばかりだったんですけど、何だか新鮮で楽しかったです。ヴィル寮長が俺に似合うって選んでくれたコードも嬉しかったですし』
「__そう。ならアタシにはそれで充分だわ」
ごく自然な笑みを落とし込めた寮長は踵を返しいとも簡単に俺に背を向ける。隣に並ばなければ見る事の出来ないであろうその垂涎な瞳に口元に手を当てて声にならない声を上げた
いや、イケメン過ぎるだろ……
ーーーーーー
『でもこうして街歩いてると__』
「何?」
『__すっっごい目立ちますねヴィル寮長』
そらそうだろう。何せファッション界のアイコンでありプロのモデル、マジカメフォロワー数500万人以上超え。こんな街のど真ん中に有名人が出現して騒ぐなと言う方が無理な話だろう
『変装とかしなくて良かったんですか?』
「あら。変装したところでアタシの美貌とカリスマ性が隠せるとでも?」
『ほんとその通り過ぎて何も言えねぇっすわ……』
こんな台詞生涯一度で良いから言ってみてぇなぁ
「……アタシだけじゃ無いと思うけれどね」
『え?何て言いました?』
「何も言ってないわよ。相変わらず歩くの遅いわね」
『寮長が速いんですって!』
必死になってその華奢な背中を追って隣に並び歩く
『でも寮長の隣に並べるのなんて俺ぐらいですね。
或いはルーク先輩とエペルぐらい』
「調 子 に 乗 る な
どんだけ頭が高いのよアンタ」
鋭い睨みを利かせ肩を握り潰す握力に割と本気で度肝が冷える。いやいや怖いし痛い
……でも。隣に並ぶなとは言わないんだよなぁ
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映国 - パピさん» おコメント嬉しいですありがとうございます……!!パピ様に褒めちぎって頂き光栄でございます。文脈的にも所々おかしなところがあったかと思いますが完結まで読んで頂き感謝しかございません、これからのそのありがたきお言葉を胸に精進して参りたいと思います!! (2021年3月6日 11時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
パピ(プロフ) - 神作品過ぎて…、笑いあり涙ありもう語彙力が溶けるレベルで神作でした! 後半の儚さがもうたまらなく好きです。今更ですけど完結おめでとうございます! お疲れ様でした! (2021年3月2日 19時) (レス) id: cbf5dcb5ea (このIDを非表示/違反報告)
映国 - 美月さん» すみませんレス返せていませんでした!! (2020年9月30日 7時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
映国 - みっ……!?!?美月さん!!!嬉しいですありがとうございます大好きです!!今回はいつもとテイストを変えてみました!!内容の面白さは保証出来ませんがヴィル様愛を書き散らした作品となっております!!楽しんで頂けたら幸いです!!!! (2020年9月30日 6時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 面白そうと思って覗きに来たら……映国さんだったのですね………映国さんの愛するヴィル様の夢小説……じっくり楽しませていただきます………大好きです………(語彙消失) (2020年9月29日 19時) (レス) id: 48104f3cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:映国 | 作成日時:2020年7月12日 16時