黒虎目石【黒】 (ページ8)

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「あーちゃんおはよ。」

愛「A！今日遅いじゃん来ないかと思った！！」

「ごめん、寝坊しちゃって笑」

目黒と鉢合わせないように、今日は遅めに学校に向かった。

授業中も休み時間もなるべく目立たないように、目黒の視界に入らないように意識した。

向「Aちゃんなんか今日はそわそわしてんな〜」

「え？そうかな、」

向「まるで誰かから逃げてるみたいやで！笑」

康二くんの言っていることは間違いでは無かった。

…

PM.15:30

(やっと終わった…)

そうこうしてるうちに、帰る時間となった。

結局目黒は、特に私に喋りかけてくることもなく誰かに話している様子も見かけなかった。

(やっぱ私ってバレてなかったんだ…)

必要以上に周りを気にしながら行動していたせいか、どっと疲れが出てきた。

(…帰ろ)

そう思い、靴箱へと向かった。

…あっ

前から、目黒が歩いてきた。

(流石に大丈夫だよね、)

一瞬焦りは感じたものの、私は歩き進めた。

目黒を見ないように、横を早足で通り過ぎた。

この時の私は完全に気が緩んでいた。

「ねえ」

背中に、目黒の声が響いた。