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「……言ったじゃん､私も同じって｡
私も小鳥遊と一緒に居たいなーって思ってるよ」
にこりとAが笑う｡
――――充分だ｡
そう言って貰えるだけで､充分嬉しい｡嬉しいはずなのに｡
自身の思考に反して､俺は口を噤むことが出来なかった｡
「……俺のは､きっと､Aが思うようなやつじゃなくて､」
「…………ん？」
Aが要領を得ないと言いたげな顔で首を傾げる｡ああ､困ってる顔だ｡
もうこれ以上言っちゃいけない｡困らせるな｡頭の中で警告音が鳴るような感覚｡
だが､一度口をついて出てしまった言葉は､とめどなく溢れて止まらなかった｡
「……ずっと一緒に居たい……し､できれば､他の人と喋って欲しくない」
「…………おお……､」
その反応はどういう意味なんだろうか｡
普段の俺なら､彼女の心情を推しはかったりだとか､気持ちのセーブも上手くいくのに､
今日は何もかもうまくいかない｡
自分でも訳が分からなかった｡
考えていることと言動が一致しないのだ｡考えるより先に言葉が紡がれる｡
脳と体がばらばらになったような感覚だった｡
……ああ､これ以上喋っちゃいけない｡
困らせるし､何より怖がらせてしまうかもしれない｡なのに｡
「……許されるなら､誰にも邪魔されないところにAを閉じ込めたい､とか､思う」
「……え､ちょっと､小鳥遊待って､なんか､」
「Aが､俺の前からいなくなったら､俺……」
彼女がどう思うかとか､常識的にどうとか､
そんなことを考えられる余裕は､今の俺になかったのだ｡
「…………Aがいなくなったら俺､死んじゃうから」
そう彼女に向かって､言った瞬間｡
なぜかどうしようもなく笑いがこみあげて仕方なかった｡
思わず息が漏れる｡
それとは反対に､目の前のAの顔に笑みはもう無かった｡
目を見開いて､ひどく驚いたような､ショックを受けたような､そんな顔だ｡
「……っ､小鳥遊､」
彼女の言いかけた言葉を遮るように､力いっぱい抱きしめる｡
彼女は暫く言葉にならない言葉をもごもごと言っていたが､やがて口を噤んだ｡
すっかり押し黙ってしまった彼女の耳元に口を寄せ､
一言､呟くように彼女に伝える｡
「ね､俺から離れていかないでね」
――――Aは俺の腕の中で､ぴくりとも動かなかった｡
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もぐもぐいちご(プロフ) - realさん» 返信遅れてしまってすみません；；realさんコメントありがとうございます！イラストも見ていただけて本当に嬉しいです…！これからも不定期ではありますが更新していきますのでよろしくお願い致します…！ (2023年4月24日 2時) (
レス) @page39 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - イラストの方から来ました！めっちゃきゅんきゅんしました(*´-`)作者さまのペースでの更新楽しみにしてます！ (2023年4月10日 12時) (レス) @page3 id: 3d1cb866c0 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - 朱まぐさん» 返信遅れてすみません…！男の子視点､ヒロインは好きな子なのでとにかくかわいく見えるように意識してたのでそこに言及して頂けるの本当にめちゃめちゃ嬉しいです…！コメントありがとうございます！これからも拙文ではありますが楽しんで頂けると幸いです！ (2022年12月11日 12時) (レス) id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
朱まぐ(プロフ) - 初めまして、こんばんは。男の子全員素敵です！9ページ目では佐藤君目線になってヒロイン可愛いと思ってしまいました！笑読んでて癒されました☺︎素敵な作品ありがとうございます。無理せず作者様のペースで頑張ってください！ (2022年12月5日 22時) (レス) id: 0c936a9b54 (このIDを非表示/違反報告)
もぐもぐいちご(プロフ) - かんずめさん» コメントありがとうございます！下でも似たようなことを書いたのですが己の生み出したキャラたちを好きと言って頂けるの､本当作者冥利に尽きます…！はちゃめちゃに嬉しいです､これからも拙い文ではありますがお付き合い頂けると幸いです…！ (2022年11月16日 20時) (レス) @page22 id: 30f259b2ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もぐもぐいちご | 作成日時：2022年10月30日 17時
