彼女と僕の毎日〜6月〜【まふまふ】

6月7日 ページ8

レコーディングから帰るとリビングからAがパタパタとやってきてギョッとしていた。




『…まぁた 髪色変わってる』

ま「そう！ 消えそうな程透き通った金色でしょっ！」

『うん、もうそのまま消えるんじゃない？』

ま「禿げろってことですか」





Aを後ろから軽く押してリビングへ向かう。




リビングに入ったと思ったら、急に振り向いて僕の腰に巻き付いてきた。





『はぁ〜…落ち着く…』

ま「…臭くない？ すごく不安…」

『…臭くても構わん』

ま「否定してほしかったなぁw」




Aの腰に腕を回して、引き寄せる。




僕の胸に顔を埋めて深く呼吸をするAを見ると、本当にこの細い身体に新しい命が宿っているのか不思議でしょうがない。






…あ。妊婦さんって激しい運動とかしちゃダメじゃん。




さっき玄関までだけど、走ってたよね。




ま「走っちゃダメだよ！！」

『ん？』

ま「ん？ じゃないから！ お腹に赤ちゃんいるんだよ！？」

『いやぁ…まふくんに早く会いたくて』

ま「んん〜！！ そんなこと言ってもダメだからねっ！！」




ま「それに！ 捻挫もしてるんだよ！！？ 完治してる訳じゃないからもっと安静に！」

『過保護か。私、そんなに転んだりしないよ？』

ま「階段を踏み外して捻挫したのは誰ですか。」

『…誰だろう』

ま「Aだよっ！！」

『何その「児島だよ！」みたいなノリ アンジャッシュですか』









ま「あ、そうだ 明日の夜 焼き肉食べに行くんだけど、その前に服買いに行こう？」

『服？』

ま「結婚式(仮)の時に着る服だよ お腹を圧迫しないようなやつ欲しいでしょ？」

『…なんか…私より私と子供のこと考えてるね』

ま「もっと自覚しないさい！」







『皆にはその時に赤ちゃんのこと伝えてもいい？』

ま「いいよ」

『楽しみだなぁ』

ま「あと、少しだからね」

『来週かぁ…！ 早いなぁ！』









『あぁ！ まふくん、ここ髪ないよ！！』

ま「はぇっ！！？」

『ちゃうわ 金色すぎて透けてて見えなかっただけだわ』

ま「わざとでしょ！ わざと見えてないって言ったでしょ！！！」

『…ワザトジャナイヨ』

ま「カタコトになってますけど」

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