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それは、一瞬の邂逅だった。




夕日の差し込む最上階。
じゃらりと揺れた拘束器。
首領の後ろに隠れたヴァイオレットの瞳と、重なった黒曜石。




私たちが出会ったのはほんの数分、彼が首領室を出てしまうまでのことで。
しかし、その一瞬のうちに、目を合わせた私たちは気づいてしまったのだ。自分はこの人に会うために生きてきたのだと。この人が、自分の運命の人なのだと。
だから、私たちは求めた。私たちが一緒に居られる方法を――――此処から、ポートマフィアから、逃げ出すための術を。



***



セリム一世と申します。

一夜限りの逃避行をする二人の話を、どうかお楽しみくださいませ。

お気に召しましたら、評価・感想等よろしくお願いいたします。執筆状態:更新停止中




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作者名:セリム1世 | 作成日時:2017年3月28日 11時

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