5.守るべき未来とは ページ5
私はそのまま縁側に座らされ、薬研くんから手当を受けた。一期はすごく焦っていたし、短刀たちも心配してくれた。
しばらく部屋で休んでいたが、ふと鶯の姿がないことに気づく。
__縁側にでると、すぐにその姿を見つけた。
私は駆け寄り、その隣に腰を下ろす。
鶯丸「主……、すまなかった。」
鶯は視線を足元に落としたまま謝った。
A「__ぇ…?どうして鶯が謝るの?」
鶯丸「あのとき声をかけなければ、こんなことには___」
A「ふふっ……何を言うの?鶯のせいなんかじゃないでしょう?あれは私の不注意で起きたことです。」
鶯丸「__でも……」
A「__あのね…、少し足を切っただけで、血が出て痛かった。……でも…」
私は振袖の袖をぎゅっと握った。
A「いつも戦ってその度に傷ついている皆は……どれほど痛くて辛いのかって……思いました。」
鶯丸「……!」
A「__皆が血を流すたびに思うんです。私の存在って何なんだろうって…。刀の神様を顕現させて、無理やり戦わせているのに、そのくせ自分はびっくりするくらい無力で何もできなくて…」
いつも考える
A「__私が守るべき未来とは、そんなに価値あるものなのでしょうか。皆の痛みに相当するものなのでしょうか…?」
わからない
何のために私は審神者になったのか
不安でどんどん視線は落ちていく。
鶯丸「__未来のことはよく分からんが、少なくとも俺は自分の意志でここにいる。めるのことを信じてる。」
A「……!」
鶯丸「顔を上げろ」
優しい声とともに、私は顎をつかまれた。
交わる視線に次第に体温が上がっていく。
A「……ちょっ…///!?」
鶯丸「自信を持て。君はここでやっていける。それに、君は1人じゃないだろう?」
A「……!…そう、ですよね……」
う…
鶯から目が反らせない…!
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