35.今宵 ページ35
ゆっくりと唇が離れる。
長い睫毛を伏せ、哀しそうに俯く鶯。
鶯「泣くな……」
A「………なんでっ……今の……っ……!?」
私が言い終わらないうちに、そっと抱きしめられた。
A「っ……!?…やめて………苦しい…苦しいです…」
心が痛いの……
すごく痛い……
鶯「主……。今夜だけ……俺に時間を分けてはくれないか…。」
耳元で囁かれ、体がぴくりと震えた。
A「……だめ…だよ……私達…っ…」
私って最低ね
鶯丸「__Aが好きだ…。主としてではなく、1人の女性として君のことを好いている。」
A「……っ!!」
だめだよ
私が固まっていると、耳を甘噛みされた。それから首筋を舐められる。思わず声が漏れた。
A「__や……っ…//」
鶯丸「…………だめか?」
熱っぽい吐息が首筋に当たる
私はふるふると首を横に振った。
A「__鶯……私を………攫って?」
小さな声でそう告げるとどさりと音を立てて畳の上に押し倒された。
鶯丸「__後悔…するなよ」
A「しないわ……私も鶯のことが大好きです。」
にっこりと笑ったはずが、涙が一筋頬を伝った。
鶯丸「ほんと……君ってやつは…」
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